出版社内容情報
35歳、無職、パチンコ依存症の伊達。
ある日、大勝ちした勢いで訪れたソープランドで出会った詩織に恋心を抱き、入れ込むようになる。やがて所持金が底をつき、闇金業者から借りた金を踏み倒して襲撃を受ける伊達だったが、その窮地を救ったのはかつての兄貴分、関川組の山本だった。
その後、山本との奇妙な共生生活を続けながら、詩織に一層のめり込んでいく伊達。
一方、関川組の組長引退をきっかけにした内紛が抗争へと発展し、関川組周辺にきな臭い空気が立ち込める。
伊達の秘められた過去、そして山本が伊達の前に現れた本当の理由が明かされるとき、事態は思いもよらぬ方向へと転がり進んでゆく――。
【著者略歴】
増島 拓哉(ますじま たくや)
1999年大阪生まれ。関西学院大学法学部在学中。『闇夜の底で踊れ』で第31回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
内容説明
「ざまあみさらせ、あほんだら!」男は快楽と暴力に満ちた闇社会の混沌に飲み込まれてゆく―。19歳、新進気鋭の作家が放つ大阪ノワール。第31回小説すばる新人賞受賞作。
著者等紹介
増島拓哉[マスジマタクヤ]
1999年大阪生まれ。2018年『闇夜の底で踊れ』で第三一回小説すばる新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
208
大阪ノワール面白く一気に読み切りました。とにかく会話にテンポがあって飽きさせない。しょうもないクズなんだけれど、純なところもあって・・ちょっとだけ切なさもあって、これが19歳が書いたのかと思うとビックリです。タイトルも好い。伊達ちゃん、能天気に笑って答える君がゆっくり眠れますように。「あほんだら!」2019/05/24
あも
113
めちゃめちゃおもろいやんけ、あほんだら!パチンカスのドチンピラが旧知のヤクザの兄貴と再会してクダ巻くだけの話がなんぼ程おもろいねん!軽快&洒脱に繰り広げられるコッテコテ関西弁の応酬で、どんだけ笑かしよるんじゃぼけ!もう何でもええから永遠に読ませてくれや…。ほんま頼むわ!関西弁下手なあもでさえ関西の血がざわっざわにさんざめいて沸き踊るっちゅーねん。ほんで、このラストかい!作者まだ19歳!?天才やろ!保証するから買ってええで!何悩んでんねん。おもんなかったら金払たるやんけ。さっさと読んだらええねん!最高やで!2019/05/03
ぶち
109
わぁ~面白かった!パチンコ依存症の元ヤクザの伊達と現役ヤクザの山本の関西弁の掛け合いやボケ、ツッコミがおもろくて、ページを捲る速度があがります。この二人の繫がりとノワールな世界は、黒川博行の"疫病神シリーズ"を彷彿とさせます。もっとも驚いたのは、作者が19歳の時の作品であることです。そんな若い年で、ソープランドやパチンコ依存症の事、ヤクザ者の心理や抗争劇を描き切っていることに驚愕です。どんな人生をおくってきたのでしょう。なにはともあれ面白い作品で、次作にも期待大です。2021/06/29
みゆ
94
初読み作家さん。おもしろかった~ヽ(^o^)丿 パチンコ暮らしなのにソープ嬢に入れ込む主人公。闇金に手を出し追われる羽目に。軽口をたたき、行き当たりばったりのこの男が妙に憎めない。笑えるチンピラ自虐物語?と思っていたら物語はシリアスな展開に。ラストは予想外にハードでした。ちょっと今までになかった読後感。これがデビュー作とはビックリ、今後が楽しみな作家さんです('∇^d)☆!!2021/07/12
J D
92
人が死に過ぎやないかい!あほんだら!テンポの良いがユーモア(ヒューモアではない)に溢れ楽しめた一冊。出会わせてくれた読友さんに感謝。「戦死者は二十五名だった。さらば、二十五人の野口英世たちよ。」こんなん笑うしかないやろ!増島拓哉初読み作家さん。末恐ろしい19歳。今後注目だ。読み終わったあとに肩で風を切りながら歩き出す。そんな要素も含みながら、ちょっとやり過ぎじゃないと思う方とで賛否分かれそうでもある作品。まぁ、楽しめたらいいんじゃ!道徳や倫理観をかなぐり捨てて増島ワールド楽しみたい方ぜひ!オススメです。2025/01/26
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