出版社内容情報
ミステリ、ゴシック、冒険小説……全ての原点にポーがある。『アッシャー家の崩壊』『アーサー・ゴードン・ピムの冒険』等の代表作に、桜庭一樹の翻案2作も加えた、唯一のポー作品集。(解説/鴻巣友季子)
エドガー・アラン・ポー[エドガーアランポー]
鴻巣 友季子[コウノスユキコ]
桜庭 一樹[サクラバカズキ]
池末 陽子[イケスエヨウコ]
丸谷 才一[マルヤサイイチ]
日夏 耿之介[ヒナツコウノスケ]
巽 孝之[タツミタカユキ]
中里 友香[ナカザトユカ]
内容説明
代表的ゴシックホラー、美しく構築された名詩、史上初の推理小説や暗号小説、SF作家たちに影響を与えた海洋冒険長編。あらゆる文学を進化させたポーの世界とは?桜庭一樹による翻案2作も加えた、唯一無二のポー集全20編。
著者等紹介
鴻巣友季子[コウノスユキコ]
東京都生まれ。翻訳家。お茶の水女子大学英文科大学院修了。柳瀬尚紀に師事し、1987年から翻訳を始める
桜庭一樹[サクラバカズキ]
1999年に「夜空に、満天の星」(『AD2015隔離都市ロンリネス・ガーディアン』と改題)で第1回ファミ通エンタテインメント大賞に佳作入選。2007年『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞、08年『私の男』で第138回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
93
面白かったです。ポーの名作の数々に触れることができました。数々の優れた短編からはセンセーショナルな雰囲気を感じます。ゴシック、怪奇小説、ホラー、探偵小説などあらゆるジャンルで構成されており、ポーの多彩なコンテンポラリー文学として今読むべき作品が多いように思いました。後の作家たちに多大な影響を与えただけに、今読んでも魅力がありますね。全作品、抄訳でなく全文であるのも嬉しいところです。2016/07/12
ころこ
37
『アーサー・ゴードン・ピムの冒険』創元推理文庫の第2巻で入手可能ですが、本書では巽孝之の新訳で読めます。メルヴィル『白鯨』や大岡昇平『野火』など意外な作品と影響関係があり、さらに「100分De名著」では巽の解説によって詳しく論じられています。冒険譚ですが、ポーらしく閉じ込め、殺し合い、飢餓、暴風、大波、浸水、人肉喰、寒さなど人間があらゆる恐怖を体験することが冒険なのだと読めます。2022/03/27
おにく
26
定評のある翻訳と、新訳を含めたポーの作品集。ポーの文章は古風で趣があり、自分は結構好きなのですが、古い文章で読みにくいと感じる人には、新訳がいい足掛かりになるといいですね。"近代推理小説"の始祖と言われる"モルグ街の殺人事件"がおすすめです。2019/04/24
tokko
11
E・A・ポーの作品の「モルグ街」や「黒猫」、「盗まれた手紙」などの目ぼしい作品は既読でしたが、「アーサー・ゴードン・ピムの冒険」は未読だったので、それを目当てで読みました。(やはりNHK番組「100分de名著」で取り上げられていたので)こういう海洋冒険小説は船の説明あたりでダレてくるものなのですが、ダレてもタダじゃ起きないのがポー先生です。これでもかと言わんばかりの、事件に次ぐ事件で読者を飽きさせません。終わり方が唐突すぎるのですが、「100分de名著」の巽先生がおっしゃっていた解釈に妙に納得しました。2022/04/16
アヴォカド
11
これ1冊でざっくりとポーをつかめる仕立て。作品のセレクトもさることながら、解説! そしてその解説もさることながら更に、丁寧な解題、著作目録、主要文献案内、年譜の労作ぶりに、頭の下がる思いです。。これが手元にあれば何かと便利。2016/09/09