出版社内容情報
エリカ パトリック カミラ レックバリ 富山クラーソン陽子
内容説明
4歳のステラを殺した犯人は、後頭部を執拗に殴っていた。30年前の事件の資料を集め、本を書く準備をしていたエリカは、今回のネーアの消息不明とステラ殺害との関連を直観した。折しも町にはシリア難民が流れ込み、元からの住民との諍いも頻発、そして解決しない事件に苛立つ何者かが移民の住居に放火し、町は大混乱に…。現代社会を映すミステリシリーズ、ついに怒涛のクライマックスへ!
著者等紹介
レックバリ,カミラ[レックバリ,カミラ] [L¨ackberg,Camilla]
1974年スウェーデン・フィエルバッカ生まれ。デビュー作“エリカ&パトリック事件簿”シリーズ『氷姫』がヒット、続く『説教師』でブレイク、2005年SKTF賞「今年の作家」賞、06年度国民文学賞受賞。同シリーズは43の言語に翻訳され、60カ国で刊行、売り上げは全世界で合計2300万部を突破した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
113
全体としてとても読みがいがあった。17世紀の話は、間に挟まれる気分転換的なものとしては、あってよかったと思う。難民の話は、どう扱うかは難しところだろう。ヘニングマンケル氏のように正面から問題を見据えるのではなく、謎を複雑にするための味付けになってしまい、甘さが見える。若者の無鉄砲さと非情さもやりすぎかな。しかしそれでも最後まで楽しめたのは、やはり謎ときの面白さと、いつもの登場人物たちの魅力。最初は嫌悪感しかなかったメルバリの憎めなさがピカイチかな。2021/02/03
のぶ
80
下巻に入り、上巻で行方不明になり、遺体で発見された4歳の少女ネーアの捜査は、パトリックらの努力により事情が次第に明らかになってくる。今回の事件と30年前の事件との関連も次第に結びついてくる。それに難民問題が絡み、時空を超えた話と、いろいろな状況が混ざり合い、結構複雑な話だった。上下巻で1000ページ以上にも及ぶ物語だが、飽きることなく楽しむことができた。加えてシリーズでずっと続いているいつものメンバーのドラマが面白く、シリーズの魅力が十分に出ていた。今後も追いかけていきたいシリーズだ。2019/10/31
み
32
一気読みでした♪お話しは何とも痛ましい。いじめに移民に○○と、現実感あり過ぎでした。○○は、お話しのキモになっちゃうので、○○っと。署長は、ボスにしたくないけど、親戚のオジサンだったら好きだわぁ。今作のエリカは、おとなしかったです、次作は暴走かしら?2019/11/10
ほちょこ
28
過去に事件と現在進行系の事件、思春期の子供達の犯罪と難民問題。てんこ盛り。それに不穏な魔女狩り時代の話も要所要所に挟まってくる。アタマの切り替えトレーニング本でした。その中で、やはりあの人、メルバリは今回も絶好調!すごい国です。スウェーデン。2019/09/26
Masa
17
読了。読友さんからの紹介で10作目出るのは知っていたけれど、本当に読めて感無量。本作読んで、「レックバリ、こんなに書けるんだ~」と失礼なこと思いました。このボリュームをしっかり書ききるなんて、メルバリの魅力だけで続いてきた作品じゃないんだなと再認識。ここで終わり? だとしても、この先(の時代)をうまく想像させるような物語で本当に良作だと思いました。続編は出るのか? と気長に待つことにします。まずは作者と訳者と登場人物全員に「お疲れさまでした」と言いたい。日本語で読めて本当に良かった。2019/10/10