出版社内容情報
『彼女のいない飛行機』で注目を集めた著者が贈る、叙述ミステリの傑作が登場! 三人の女性が語る三つの殺人事件。その真実とは? 読者を謎の迷宮に誘う、仏ルブラン賞・フロベール賞受賞の話題作。
内容説明
モネの“睡蓮”で有名な村で発生した、奇妙な殺人事件。殺された眼科医は女好きで、絵画のコレクターでもあった。動機は愛憎絡み、あるいは絵画取引きに関する怨恨なのか。事件を担当するセレナック警部は、眼科医が言い寄っていた美貌の女教師に話を聞くうちに、彼女に心惹かれていく。一方、村では風変りな老女が徘徊し…。『彼女のいない飛行機』で人気を博した著者の傑作ミステリ。
著者等紹介
ビュッシ,ミシェル[ビュッシ,ミシェル] [Bussi,Michel]
1965年生まれ。ルーアン大学で教職につくかたわら、小説を執筆。2006年に『Code Lupin』で作家デビューし、ほぼ年一冊のペースで作品を発表。2011年刊の『黒い睡蓮』でルブラン賞、フロベール賞などを受賞、実力派としての地位を固める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
247
2018年このミス海外第5位。 クロード・モネをモチーフにした フランス ミステリーである。 「わたし」である老女が語る 視点が 読者をミスリードさせながら、事件は 進む…女教師ステファニー、 村の少女ファネットの視点が さらに読者を 惑わせながら…三人の女性を結ぶ真実に 妙に安心した、そんな作品だった。2018/02/17
ケイ
176
モネの絵は正直好みではないのだが、読友さんの感想を読んで手に取る。モネの睡蓮のタブロー如き風景は素直に美しいと思うから、その美しい池を想像しながら、最初に語られる呪いのような老婆の言葉に不安になりながら、少女の運命を心配しつつ物語の世界へ。 途中で謎がわかったという方も多いようで、また、ラストも色々な意見があるが、私はまったく謎解きを出来ずにトリックが明かされた時に驚き、最後には感動した。作者にとって理想の読者だったかも(^_^; 他の作品も読んでみたい。2018/06/04
ちょろこ
148
なるほど、の一冊。実に読み応えのあるミステリだった。舞台はモネの「睡蓮」で有名な村。ある日、浮気症の絵画コレクターが殺害された。犯人はやっぱりこの村の人間か…動機は…愛憎絡みかと、狭いコミュニティでの人間関係、人間模様を描きながら、三人の村に住む女性、三つの手がかりを軸に展開される犯人探し。なんとなく気づいてしまった部分はあるものの、次第にピントが合っていく感覚、この仕掛け、真相には素直になるほど、と思えた。随所で感じられる村の情景はもちろん、ちょっぴりときめき、可愛らしさ感じるこのラストも良かったな。2021/08/13
yumiko
122
この冒頭3ページを読んで、途中でやめられるミステリ好きはいないだろう。そして読み終えた後、なるほどそういうことかと深い哀感と共にまた冒頭に戻ることと思う。舞台はモネ晩年の地ジヴェルニー。女好き絵画好きな眼科医が殺されたことから物語は始まる…。構成の素晴らしさは勿論、巧みな情景描写、魅力的な登場人物、翻訳もいい。署長と部下の軽妙なやりとりも好みだった。読みどころはたくさん!でもこれ以上はネタバレになってしまいそう。一人でも多くの人にこの悲しい愛の物語を読んでほしいから、感想はここまでに。激しくお薦めの一冊!2018/03/15
のぶ
103
アートミステリーとしてとても面白い作品だった。舞台はフランスのジヴェルニー。モネが晩年睡蓮の花を描いて暮らした小さな村。そこで眼科医のモルヴァルが殺されるところから物語は始まる。モルヴァルは多くの愛人を抱えていた。小さな村で起こった事と登場人物も多くなく、ストーリーは分かりやすい。並行して生前のモネの描かれている生活も興味深く、美術の好きな人にも気に入ってもらえる作品だと思う。ミステリーの要素も存分に盛り込まれていて、ラストの謎解きもとても面白かった。2018/03/23
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- 和書
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