出版社内容情報
かつての恋人はなぜ失踪を? 調べを進めるフランクの前に次々と浮かぶねじれた人間関係、ゆがんだ家族愛…。やがて事態は彼の愛娘をも巻き込む。アイルランドの人々の貧しい現実が胸に迫る珠玉作。(解説/三橋 曉)
内容説明
かつての恋人ロージーはなぜ失踪したのか?その真相に気づいていたらしい家族も死に、同僚刑事の忠告も無視して調べを進めるフランク・マッキー。次々と浮かぶのは、彼が育った16軒の貧しい家々が軒を連ねるフェイスフル通りでの苦々しい思い出や、ねじれた人間関係、歪んだ家族愛。やがて事態は、フランクの愛娘をも巻き込んでいき…。切ないほどの顛末が胸に迫る、アイルランド発、珠玉のミステリー。
著者等紹介
フレンチ,タナ[フレンチ,タナ] [French,Tana]
アイルランド、イタリア、アメリカ合衆国、マラウィ共和国で育ち、1990年以降はアイルランド・ダブリンで暮らす。トリニティー・カレッジで演技を学び、女優や声優として働いた後、『悪意の森』で作家デビュー。エドガー賞新人賞をはじめ数々の文学賞新人賞を受賞し、一躍注目を浴びる存在となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
50
仕事が続かないアル中の父親に口やかましい母親、兄弟の間でも皮肉や嫌みが飛び交うマッキー家では暴力と軋轢に溢れている。フランクが19歳で家出を決意した原因のひとつがこの家族にあったし、いまも一定の距離を置いている、と上巻にも増して濃密な家族関係の描写に圧倒される。それは本書がミステリーだと忘れるくらいで、ちょっと疲れる読書でもありました。2024/12/24
み
18
ふ〜む、家族って、良くも悪くもですね。モトサヤに希望が出たのが救いだわ。2022/09/03
ハルト
15
読了:◎ 家族というのは呪縛であり不変の愛でもある。アイルランドという土地と、貧しい家族に生まれてしまったしがらみ。自分ではどうしようもないことに縛られて、ままならない人生。逃れるには、駆け落ちして愛以外捨てるしかなかった。家族が題材なだけに、とてもたまらない気持ちになる。逃れきれず、拭いきれないものを抱えて生きていくつらさが、家族の重みそのもののように思え、胸に迫り切ない。2013/11/19
わたなべよしお
14
暗い、重い。けど、光もある。3作目だが、タナ・フレンチはうまいなぁ、読ませるなぁといつも思う。単なるクライムノベルにとどまらない作品で、生きていくということの複雑さ、苦しさ、せつなさ、美しさを感じる。2014/02/12
ほちょこ
7
生まれ育った自分の家族と、自分が作り上げた家族と、何を守り、何を捨てるのか、心の葛藤を描いたミステリだった。前作では全然そういうタイプの上司には見えなかった主人公。もう一度読み直したくなる。2015/04/03
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- 和書
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