出版社内容情報
スウェーデンの人気ミステリシリーズ第1弾
スウェーデン実業界の大物が次々に殺された。お金目当てか怨恨か? 選りすぐりの刑事が集められた特捜班は、手がかりのひとつひとつを地道にあたる。やがて、被害者たちの共通点が見つかり……。
内容説明
スウェーデン実業界の大物が連続して殺された。頭に2発の銃弾を撃つ手口はマフィアの処刑スタイルだ。国民を震撼させている大事件を一刻も早く解決するべく、国家刑事警察の特別捜査班が編成された。職務規定違反の疑いで内部調査を受けていたポール・イェルムをはじめ、それぞれに事情をかかえる刑事6名により、精力的な捜査が始まった。個性的なメンバーの活躍と地道な謎解きで人気の警察小説第1弾。
著者等紹介
ダール,アルネ[ダール,アルネ][Dahl,Arne]
1963年生まれ。批評家、編集者としての顔も持つ。『靄の旋律―国家刑事警察特別捜査班』で始まるINTERCRIMEシリーズはスウェーデン推理作家アカデミーから「推理小説ジャンルの活性化と発展に寄与した」として特別賞を受賞。10作目まで刊行され完結した人気シリーズ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
51
ミステリ―の奥にミストがある」ってなことで読者は靄の中で迷子になるのが売りだけど。。確かに前半、うだうだがなくもない為、読みのは辛い。後半に入り北欧独特❓の「賢く、いやになるほど内省的な」犯人が登場し、饒舌に弁をふるい、「心は燃えても、肉体は弱い」復讐の神 エリニュス再現のような展開は一気に読ませる。日本の警察ものと圧倒的な差異である「チームワークのドラマ」の骨太さも面白い。移民を殆ど受け入れないフィンランド、閉ざされた国、アジアより連れてこられた多くの薬漬け女性達~低く流れるセロニアス・モンクの旋律♪2016/03/06
RIN
36
『ミレニアム』に夢中になった読者ならがっつりハマると思うのに、2012年の第1弾発売から後が出ないのは何故??ジャズ門外漢の自分でさえ「イエーィ ッンン~♫」という気怠い旋律が脳内に流れ続ける雰囲気のあるミステリ。『ミレニアム』で知ったように、スウェーデンという国が日本のマスコミや野党が喧伝するほど夢のような国ではないことが本作でも嫌というほど背景として描かれる。移民政策、高福祉に付随する高負担による格差や各種依存症等々社会病理に静かに蝕まれていく国でマイノリティ刑事たち特捜班Aの行方が気になり過ぎる。2016/02/05
コーデ21
20
先々月読んだアルネ・ダール著「時計仕掛けの罠」が面白かったのでコチラも。個性的なメンバーの活躍と地道な謎解きの人気警察小説第1弾。それぞれ訳ありのメンバーばかりのチーム捜査はいささか地味な展開。いろんな要素を詰め込みすぎた分、一気呵成にという迫力には及ばず。でもシニカルな会話などがいかにも北欧ミステリーで好きなタイプです♡ このシリーズもっと読みたいのに、我が地域の図書館にはダール作品はこの二作だけでした。翻訳されてないのかな? 残念~😢 2021/04/01
hydrangea
19
レックバリ作品を読んだ流れで積読になっていたこちらも読了。スウェーデン実業界に起こる連続殺人の捜査過程に、バブル経済崩壊や移民・人種問題、ロシアンマフィアの台頭、公安との対立、刑事それぞれの過去などを絡めたストーリーは、目新しさは少ないものの、北欧ミステリーとして安定した面白さを築いていると思います。また、本作は「チーム捜査」の序章として今後のシリーズ続編への期待も抱かせる内容だったと感じました。作品上梓が1999年のようですので、その頃のスウェーデン情勢を知るにも興味深い作品です。2014/03/30
fukumasagami
18
イェルムは背中に手をまわし、ズボンからピストルを抜いて引き金を引いた。 頭の中で、あの声が止んだー「あなた、いまだに女の自然な生理現象を気持ち悪いと思ってるの?」 一瞬、時の流れから切り離されたかのように、すべてが動きを止めた。フラクラはまだ散弾銃を握りしめている。なにやら言い知れぬまなざしが、イェルムの目をまっすぐに射貫いた。なにが起こっても不思議ではなかった。「うっ」ドリテロ・フラクラは銃を落とし、前のめりに倒れた。 あらゆる変化は、行動によって引き起こされる、とイェルムは考えた。吐き気が襲ってきた。2016/12/24