出版社内容情報
吸血鬼の悪の力に町が蝕まれていく恐怖小説。
故郷の町に舞い戻った作家・ベンは、次々と不可解な事件と遭遇。少年の失踪、続発する不可解な死、遺体の紛失事件。田舎の平穏な町に何が起きているのか。ベンは謎の解明に果敢に挑むが…。
内容説明
幼い頃を過ごした町に舞い戻った作家ベン。町を見下ろす丘の上に建つ廃墟同然の館は昔と同様、不気味な影を投げかけていた。少年の失踪事件、続発する不可解な死、遺体の紛失事件。田舎の平穏な町に何が起きているのか?ベンたちは謎の解明に果敢に挑むのだが…。「永遠の不死」を体現する吸血鬼の悪の力に蝕まれ崩壊していく町を迫真のリアリティで描いた恐怖小説。
著者等紹介
キング,スティーヴン[キング,スティーヴン][King,Stephen]
1947年アメリカ・メイン州生まれ。モダン・ホラー界の巨匠。74年『キャリー』でデビューし、話題作を次々と発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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SF・ホラー本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
185
キング2作目にして週刊文春の20世紀ベストミステリランキングで第10位に選ばれた名作が本書。そんな傑作として評価される第2作目に選んだテーマはホラーの王道とも云える吸血鬼譚。本書の主役はこの町であり、その住民たちである。従ってキングは“その時”が訪れるまで町民たちの生活を丹念に描く。彼ら彼女らはどこの町にもいるごく当たり前の人々もいればちょっと変わった人物もいる。登場人物表に記載されていない人々の生活を細かくキングは記していく。このじわりじわりと何か不吉な影が町を覆っていく感じが実に怖い。2017/01/04
青乃108号
160
片田舎の町、セーラムズ・ロットで次々起こる怪奇な出来事。小さいとは言え呪われているのは「町」なので、序盤で町の住人の面々と彼等の生活風景とが、共に異常な程の丁寧さで描写されるのだが、膨大な人数で挫折しそうになる。しかしこの大量の人物紹介が必ず後で効いてくるはず。中盤あたりから不穏な空気が漂い初め、町の住民が1人2人と不審死を遂げる。一文が長く読みにくい事も、俺の心を折りかけたものの、少年の葬儀場面や埋葬の場面では、その長く読みにくい一文で執拗なまでに繰り返す静かな描写が、上巻にしてすでに非常に怖い。 2023/07/13
nobby
131
ついに上巻ラストで赤い目のヤツが目覚めたのか!何やら曰く付きな田舎町セイラムズ・ロットに暮らす個性的な面々。25年振りに戻ったベンが目にするのは、あくまで何気ない静かな日常。カタカナ人物が続々登場する展開に戸惑いながらも、裏で何かが起こりつつある雰囲気を噛みしめながら読み進める。過去に暮らした殺人鬼と消えた子供達の言い伝えと、その荒んだままの家にまた住人が現れたことから今また続発する怪事件の原因は何なのか。後半でようやく、その有名な特徴や弱点を目にしてドキドキ!勿論このまま怖くて一気読み必至という下巻へ♪2018/11/02
アナーキー靴下
76
『幻想と怪奇4』で登場したので気になり読む。上巻はなかなかしんどい…。主人公ベンだけでなく、町の住人それぞれの日常にフォーカスを当てることで、迫りくる不気味な影を描いているものと思うが、とにかく人が多い。登場人物全員の名前と職業を人物紹介欄に列挙してくれておいてくれるだけでかなり助かるのに…と、ページを往復しつつ思う。まだ上巻だから断言できないけれど、これ映像作品だったら、ほとんど名前なんて覚えなくても良いシーン、町の雰囲気を味わうためのものなのでは…? しかし上巻後半の恐怖は満足度高い。下巻も期待。2023/07/21
扉のこちら側
57
単行本で初読、文庫で再読。怖いのをわかっててまた読んでしまった。この設定必要か?というところが後で重要になってくるところが、また怖い。2013/05/03