内容説明
1558年、アン・ブーリンの娘エリザベスが念願のイングランド女王に即位する。国の安定を求めて国内外の権力者との結婚を進言する国務長官ウィリアム・セシルをよそに、エリザベスは幼なじみで国賊の汚名を被るロバート・ダドリーに夢中だった。ダドリーもまた、貞淑な妻エイミーをないがしろにし、宮廷に入り浸る。恐ろしいほど激しい人間関係を描いた、史実に基づく壮絶な物語。待望の人気シリーズ第3弾。
著者等紹介
グレゴリー,フィリッパ[グレゴリー,フィリッパ][Gregory,Philippa]
テレビやラジオのジャーナリスト、プロデューサーの経験もある、イギリスの作家。エジンバラ大学で18世紀文学の博士号を取得。歴史小説の第一人者であると同時に、現代を舞台としたサスペンスにも定評がある。現在は、家族とともにイングランド北部に住む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねむねむあくび♪
62
シリーズ3は、ロバート・ダドリーとエリザベスの物語。並み居るライバル達を押し退けて、エリザベス女王の寵愛を得る既婚者のロバート。野心家のロバートと田舎暮らしを望む妻のエミリーはすれ違うばかり。どの登場人物も頑固で傲慢でうんざりする笑。なのに、続きが気になって読んでしまう( ̄▽ ̄)2018/12/02
ann
49
面白すぎ。いかめしい肖像画でしか面識のない彼らが繰り広げる愛憎劇。下巻も携えて。2018/12/07
ぱなま(さなぎ)
22
このタイトルから期待できる全てが楽しめる小説。シリーズ二作目までとはちがうのは、読み手と物語世界をつなぐ語り手不在の群像劇となっている上、もっとも主要な人物であるエリザベスの心理が描写されない点。読者も彼女の取り巻きたちと同じように、表にあらわされた感情から読み取るしかない。どれが本心でどれがそうでないのかは想像の中。たぶんきっと女王本人にすら。2018/02/06
星落秋風五丈原
18
妻帯者にして反逆者の息子ロバート・ダドリーがエリザベス女王の寵愛を受けて主馬頭に。世俗の幸せを望む妻エイミーとの距離が段々隔たっていくのもむべなるかな。それにしても主馬頭ってそんなに女王の傍にいられる役職なのか。2013/08/11
noémi
15
シリーズ3はエリザベスとロバート・ダドリーの話。このふたりって己の野心がギラギラ輝いていて、めちゃくちゃ猛々しい。ダドリータイプの戦国武将はいるだろうが、エリザベスのような猛々しい女は日本にはいないかも…。ダドリーの妻のエミリーは可哀想になるほどダドリーと価値観が違う。ダドリーが少年の頃好きなって結婚した妻なのだが、彼が大人になってみると、妻の一途さ、ナイーブさ、健気さが全部裏目に出てしまう。彼女が悪いというのではなく、合わない二人なのだろう。そして女王の夫になりたいダドリーはどうするのだろう。2017/12/04