内容説明
うだるような夏のある日。ダブリン郊外の森の中で、少年と少女が忽然と姿を消した。あの日から20年。同じ森の近くの遺跡発掘現場で少女の他殺体が発見される。捜査にあたった刑事のロブとキャシーは、少女の家族が隠し事をしていると感じる。一方、発掘隊の中にも疑わしい言動を取る者がいた。やがて少女の姉がロブに接近し、虐待を匂わす証言をするのだが…。数々の賞に輝く傑作登場。
著者等紹介
フレンチ,タナ[フレンチ,タナ][French,Tana]
アイルランド、イタリア、アメリカ合衆国、マラウイ共和国で育ち、1990年以降はアイルランド・ダブリンで暮らす。トリニティー・カレッジで演技を学び、女優や声優として働いた後、『悪意の森』で作家デビュー。エドガー賞新人賞をはじめ数々の文学賞新人賞を受賞し、一躍注目を浴びる存在となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おか
70
結構癖のある文体で 読むのにてこずった。宮部さんの「ソロモンの偽証」の後書きで紹介されていて興味を持った。事件もそうだが それを捜査する一人の刑事が興味深い。20年前 12歳の時に友だち3人で遊びに入った森の中で たった一人助かり 当時の記憶が全くないアダムが 20年後 地元に帰って来て刑事となり 昔 自分が発見された森で起きた 12歳の少女の殺人事件を捜査する。アダムの記憶が戻りそうで 戻らない、、、そのもどかしさでジリジリする(≧∀≦)2018/04/30
mii22.
47
題名から想像するほどのダークさや期待していた怪しさはないけれど、ダブリン郊外の森で起きた少女殺害事件の解決よりも20年前に同じ森で起こった2人の子供の未解決失踪事件の方が謎めいていてそちらの事件の真相に興味がわく。過去の事件の当事者で1人だけ発見されその時の記憶をなくしてしまったアダム少年(現在刑事となったロブ)が、同じ森での少女殺害事件を担当することに。その秘密を知っているのは相棒刑事キャシーのみ。今なお失くしてしまった過去の記憶に引きずられているロブよりもサバサバした性格のキャシーに惹かれる。2023/03/05
紅はこべ
22
初読み作家。悪くない。詳しくは下巻で。2010/04/11
み
20
う〜ん、ちと読みにくく苦戦してます(^^;下巻を読み切れるか?2022/07/18
Ayah Book
14
GWに一気読みしました。森で姿を消した三人の子供、そのうち一人だけが戻ってきて、今は刑事になっている。20年後、同じ森でまた少女が殺害された。刑事ロブは自身のトラウマを克服し、事件を解決することができるのか?という物語。一応体裁はミステリなのだが、文章が叙情的で文学っぽい。内容も主人公の苦悩が全面的に描かれるので、謎解きの楽しさは少ない。そして主人公がクセがありすぎる。トラウマ持ちなのはわかるけど、結構やな奴で、自分のことセンスいいと思ってるっぽい。かといってつまらないというわけではない、不思議な本。2024/05/07