内容説明
1881年、全米にその名をはせたジェシー・ジェームズ一味が西部で列車を襲った。ギャングの中にはジェシーをあこがれの眼差しで追う新米強盗ボブがいた。弱冠19歳。ジェシーは自身にかけられた高額の賞金によって彼を売ろうとした仲間を執拗に追い始末する。その激情と凶暴性はボブを追い詰め、また日ごとに膨れあがる歪んだ功名心と強い羨望は、ある日彼に大胆な決意を呼び起こす。ブラッド・ピット大絶賛の映画原作。
著者等紹介
ハンセン,ロン[ハンセン,ロン][Hansen,Ron]
1947年ネブラスカ生まれ。1979年『Desperadoes』でデビュー。父と息子の葛藤を描いた『Atticus』はペン/フォークナー賞、全米図書賞の最終候補作に。格調の高さとポピュラリティの両方を備える作風と評される。サンタ・クララ大学で教鞭をとる。カリフォルニア在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イシザル
4
当時の新聞 雑誌等や文献から徹底的にリサーチしたらしく、ピンチョン級の情報量で、労働者 無法者 政治家 主婦 娼婦 チンピラにマフィア、アメリカの黄金時代に向かって疾走する「金ピカ時代」の世界観が伝わってくる、その中で、暗黒面に墜ちきれないジェーシー しかし世間や身内までもが怪物、ダークヒーローに祭りあげていく 19歳の青年はジェーシーを倒せば、世界中が賞賛してくれると勘違いし暗殺してしまう。スターウォーズEP6で怪物を倒し怪物になってしまった最後 皆と喜びあわずひとりぼっちのルークのようだ‥‥2016/01/28
Chako@(旧名:かど =^ェ^=)
1
本書を読み終えたあとすぐに映画化作品を観た。訳者あとがきで言われてたとおり大西部の風景が見事で、忠実に視覚化された傑作であった。日本よりまだ歴史が浅いアメリカの歴史的事情には、銃と聖書が根底に流れているなと感じた。銃は力(権力)とも言えるし聖書(信教)は慈悲とも思える。それは建国以来、現代アメリカが抱えているもの、象徴でもあるかと思われる。19世紀後半、全米にその名を轟かせたこのダークヒーローは、父が牧師であったからか、聖書を精読し迷信深かったし、交差させたホルスターにある銃を常に手離さず、↓つづく2014/12/02
-
- 和書
- 犯罪列車