内容説明
威厳に満ちたアルフレッド、人の集まるところが大好きなオスカー、迷子の子猫オリーとジニー、豚に育てられたモーゼス、死の淵から何度も甦ったフリスクなど、気まぐれだけど愛情深い猫たちとのやりとりを軽妙に描く。美しい自然あふれる英国ヨークシャーを舞台に、50年の獣医生活によって育まれた数々のお話から、ヘリオット先生が選んだとびきりのお気に入り全10篇を収録。
著者等紹介
ヘリオット,ジェイムズ[ヘリオット,ジェイムズ][Herriot,James]
1916年英国スコットランドのグラスゴー生まれ。国立獣医大学卒業後、ヨークシャーで獣医になる。50代から、獣医としての豊富な体験をもとに、動物への愛情あふれる作品を多数執筆。そのほとんどがベストセラーとなり、テレビシリーズ化された。95年没
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
50
優しいものに触れたくて、眉間の皺を伸ばしたくて手に取る。あとがきを読んで気付く。ユニークな猫たちとユニークな飼い主、そしてユニークな獣医とのほのぼのとしたエピソードは皆、1950年代までのことであったと。2022/04/06
はる
46
イギリスの小さな田舎町の獣医ヘリオット先生。彼が出逢った様々な猫たちとのユーモラスで温かい物語。古き良きイギリス。町の人たちの素朴な優しさと、愛らしい猫たちにホロリとさせられます。熟練した筆致も心地いい。角野栄子さんのあとがきも良かったです。2017/06/20
こばまり
38
今や悉く絶版になっている集英社文庫の当シリーズ。もちろんインターネットで容易く手に入るのですが、この本は敢えて古書店でひょっこり出会いたかった。そして嬉しくも実現しました。お人柄が滲む文章とはまさにこのこと。頬も涙腺も緩みっぱなし。ヘリオット先生がいない世界は寂しい。2016/04/06
コジ
31
★★★★★ 大の猫好きの老獣医ドクター・ヘリオットの猫回顧録。猫が十匹いればその性格は十猫十色。人間が大好きで人の集まる所なら何処でも顔を出す猫もいれば、猫扱いに長けた自分を猫のアイドルだと自負していた獣医(著者)を一回の治療行為で大嫌いになる猫もいる。愛情と根気そして正しい知識があれば、どんな猫であっても友情が結べる事を本書は教えてくれる。温もりとユーモアに溢れている文章は悲しい結末を迎える場合であっても読んでいで朗らかな気分になる。2017/02/03
くみ
11
ヘリオット先生現役時代の猫に関する10の物語。 特にオスカー、フリスク、エミリーとバスターの話が心に残る。猫と人間のかけがえのない関係。ヘリオット先生の猫たちへのまなざしのあたたかさ、飼い主たちの猫への愛情に胸がじんとします。2022/02/12