内容説明
犯罪心理学者フィオナには悲しい過去があった。妹の殺害事件。それを阻止できなかった彼女は、プロファイリングの研究にいっそう熱を入れている。恋人のミステリー作家キットとの同居生活は順調だったが、彼に届いた一通の脅迫状と、彼の同業者が殺されたことで、二人の生活にも暗い影がしのびよってきた…。CWA(英国推理作家協会)ゴールド・ダガー賞受賞作家の話題の最新作登場。
著者等紹介
マクダーミド,ヴァル[マクダーミド,ヴァル][McDermid,Val]
スコットランドの炭坑地帯で育つ。オクスフォード大学で英語学を学んだ後、16年間ジャーナリストとして働く。デボンの地方新聞の記者時代にはテッド・ボトムリー記念賞を受賞。後半の3年間は全国紙の日曜版に移り、支局の編集長をつとめた。その後、小説を書き始め、9作目のミステリー小説『殺しの儀式』(集英社文庫)で、CWA(英国推理作家協会)の最優秀長編賞、ゴールド・ダガーを受賞した
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感想・レビュー
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のっち♬
28
犯罪心理学者のフィオナは、三つの凄惨な連続殺人事件を担当することになる。今作の主題として、犯罪プロファイラーの活用があり、それぞれの事件においてその活躍の寄与度は違ってくるのが印象的。万能視されるプロファイラーが何でも簡単に犯人を言い当てるわけではなく、結局捜査に翻弄されているうちに恋人キットがそのうちの一つに巻き込まれて話はハードボイルド風に盛り上がる。この手の小説らしいどんでん返しや捻りは軽めで、求めるものが違うと肩透かしを喰らうかもしれない。発達する文明や統計への依存に対する皮肉が込められた作品か。2018/04/08
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
25
ミレニアムで主人公ミカエルが読んで「おぞましい結末」と言ってたのがマクダーミドの作品。それからちょくちょく読む様になった。どれもおぞましく惨たらしい。なぜ読むのか自分。ミステリー作家の連続殺人事件が起き、それぞれ作中の事件と同じ殺され方をしているらしい。捕らえられて自分の死に方を知る作家たち。これ以上の悪夢はあるだろうか。この作品の中では三件の連続殺人事件が同時進行する。その一か所はスペイントレド。宗教裁判の嵐が吹き荒れた場所だという。(行ったけど知らなかった)。陰惨全開の作品。2021/03/14
キムチ
9
「傑作」とうたっている割には、のめり込めなかった。感覚が合わないというか、楽しめないミステリー2013/07/27
昌子♪♪
2
長編物でちょっと日にちが掛かったけど、まぁ面白かったです。2017/06/09
naka
1
読み終わって、「お、おぅ……」ってなる話。面白いは面白いんだけど、サイコ・スリラーだから別段殺人トリックとかも無いので、求めるものが違う人が読むと多分面白くない。私は雑食だから、これはこれで面白かった。2016/08/11