内容説明
少女は、誘拐され惨殺された!!怒りに燃えるクリーシィ。外人部隊で勇名を馳せた男の活躍を描いた巨匠の鮮烈デビュー作品。初老の元傭兵クリーシィを主人公とするシリーズの輝かしい第一作。冒険小説の巨匠が描く傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
55
再読。心も体も疲れ切った元傭兵クリーシィが請け負った仕事は実業家の11歳の娘ピンタのボディガードだった。孤独な男に生きる希望を与えたピンタは誘拐犯に殺されてしまう。怒りに燃え上がる男は復讐に立ち上がるのだ!元傭兵仲間、島の人々、シンパシーを感じる人々に手助けされながらマフィアの大ボスを追い詰める。てめえら人間じゃねーと復讐戦もヒートアップしてくるんだけど、前半はピンタがいじぢらしくこちらが泣けてくるし、島での再生を助けるナディアがいい女!死ぬなクリーシィ!とこれまたシリーズ再度したくなったわ。最高!2017/07/19
トンボ玉
23
「暗殺者グレイマン」が物足りなかったので、積読本のこの本に手が伸びました。話としてはアル中に苦しむ元傭兵のガードしていたはずの少女が殺害されたことへの復讐の話です。しかし、復讐していく場面よりは、ページは傭兵時代のことや少女との信頼感を強めていく過程、復讐の準備のためのマルタ島での生活、武器の調達などに割かれています。このことでより復讐にかける彼の思いの強さを表します。彼の戦争技術は一人の少女のために使われ命を失いますが、無垢な関わりでもって絶望の淵から引き上げてくれた少女への精一杯の恩返しでした。 2014/07/13
磁石
20
クリーシィーやグィドー達の過去や現在の所業が許されているのは、疑う必要もないほど正しいと信じきっているのは何故? 読んでいる間ずっと気になってしまった。ソレが解消されずドンドン復讐だけは果たされていく、みな応援までしてくれて……。なぜこんな無神経でいいのか、初読時は反発心しか出てこなかった、だけど、生き延びるためにはこうするしかない、考えにも及ばなければ現実にもないし起こり得もしない、例えどれだけ人を殺しても。この忘却を発動できるかどうか、ソレがプロかそうでない凡人を分つ最大の機能なのかもしれない、と。2017/05/24
ふみふみ
13
元傭兵で生きることに疲れ果てた主人公クリーシイ。イタリアでボディーガードの職を得た彼は、護衛することになった富豪の少女と心を通わせ、次第に人間性を取り戻していく。しかし、マフィアに少女は誘拐され惨殺、自ら一命を取り留めた彼は、体の回復を待って、組織への復讐戦を仕掛けていく。誘拐の関係者を一人残らず抹殺していく様はイコライザーばりのハードモードですが、実は本書の比重を占めるのは主人公の心の交流(少女や戦友、療養地の住民たち)と再生劇で、そういう点では稀有な構成の冒険小説という気がします。2025/01/05
ROY
12
伝説の作家クィネルの出世作、痛快アクション小説であるが、そのリァリティのためにクィネルは最初その正体を明らかにしなかったと言われる。分野は違うが、池井戸潤に求めるものと同じ気がした。2014/01/14