内容説明
深く柔らかい声の響きはごく控えめながら、情熱の波が内にこもっているようでした、と心友で詩人のルーマニア王妃は語る。シシーの愛称で親しまれた皇妃エリザベートの人気は、没後百年を超えてもなお衰えない。過激なダイエット、秘密のふくらはぎコンテスト、知られざる持病、異彩を放つ言動など。身近な人々の証言をもとに、さすらいの皇妃の素顔、その驚くべき私生活に肉迫するノンフィクション。
目次
若い皇妃の悩みごと
皇妃のワードローブ
儀式―髪の手入れ
ボディ崇拝と美容法
ダイエットへのこだわり
過激なスポーツ活動
病気・療法・薬剤
皇妃の芸術的才能
はてしない旅
旅行の準備と費用〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らじこ
27
こちらの本はこちらの本でまた面白い。前回読んだものがエリザベートを中心に描かれていたとすると、こちらはフランツィの心模様や周りの人たちの動き、周りの人たちに対するシシーの言動などがさらりと紹介されている。とりわけシシーが亡くなったときのお話が印象的で、フランツィが好きになった。シシーを通してフランツィに関心を抱くような本だと思う。2016/07/14
noémi
6
夫に「ホントに好きね」と苦笑されつつ購読する。やっぱり私生活もエキセントリック。この人、綺麗なだけじゃなく、とてつもなくアタマもいいし、運動神経も発達しているんだね。小さい頃、お父さんに馬の曲芸を習っていて、二頭の馬の背中に立ちながら、走らせることが出来たんだって。お父さんも、かなり変わり者。ツィターも習って、ピアノも相当に上手くて、リストと連弾してたんだとか。彼女は実はリベラリストで「皇帝なんて古臭い体制だわ」と密かに馬鹿にしていたという…。2013/07/05
高梨
2
いろんな本を読めば読むほど、エリザベートってすごい生き方をしてるなと思う。当たり前だけど2時間半程度のミュージカルで語られてる内容なんてその一端でしかないわけだし、すごく脚色されてるし。2019/08/31
初瀬川 翠
2
高校生の頃にエリザベートの伝記を読んで以来久しぶりに触れました。エリザベート関連の書籍は多いですが本書は皇妃の素顔、私生活面のエピソードを集めたそうで面白かったです。賢く美しい女性、一方で迷信深く神経質、暗殺された最期。宮廷にありながら当時の慣習や常識から見て(も)変わったエピソード多数。いつ観ても髪を解いた肖像画が神々しいほど美しいです!皇妃のこと以外でも、宮廷料理の余った料理や食材は召使が自家用に持ち帰っていたというのが面白かったです。倹約令でその分が削られかけて抵抗が起きたというのも。2014/02/11
オペラ座のカニ人
1
エリザベートの事について3冊目の本だったので内容がまた違って大変面白く読むことができた。ハンガリーの国民から愛されていたので、その頃のハンガリーの人が書いた書物を読んでみたくなった。2021/06/14