内容説明
コックピットに琥珀色の閃光がピカッと走った―。その瞬間、いままで視界にひろがっていたロサンゼルスの街が消えて、飛行艇グロウリーに乗りこんだリチャードと、妻レスリーとの不思議な愛の旅が始まった。同時に存在するもうひとつの人生、自分以外の自分をかいま見るふたり。鬼才リチャード・バックが、「パラレル・ワールド=併行世界」へと読者をいざなう、味わい深いファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寧々子
7
ファンタジーな物語の世界観にスピリチュアル的思想を巧く融合出来ていなかった気がした。 ガイド役として登場するパイが話す内容は難解なので理解するのが難しいし、スピリチュアル的な格言が羅列されている場面があったりと、ファンタジーの中で噛み砕いて欲しいのにそのまま詰め込まれてたように思えた。 戦争に対する強い憤りは伝わってきたし、世界を救える尊いはずの教えも人の手に渡ると宗教となり争いのもとになってしまう経緯とかは、ものすごく理解できた。 でも、パラレルワールドの存在ってにわかに信じられない~2016/04/11
なかけー
5
一風変わった面白い人生観を提示している作品。和訳のせいなのか、宗教くさくなっているのが若干気になる。2010/10/26
姫草ユリ子
4
ただのタイムスリップの話かと思いきやパラレルワールド、そして哲学の方向へ。ここまで深い本だとは思ってなかったんでちょっと吃驚しました。とくに真理を書いた経典がもたらす宗教戦争までの流れがリアルで鳥肌が立った。良かれと思ってした事が別の視点から見ると全く違って見えるんだなぁ。章が短く好きな時に読むのをやめる事が出来るので寝る前なんかに読むと良いんじゃないでしょうか。っていっても続きが気になって眠れないかもしれませんが。2013/11/19
rincororin09
3
再読。くたびれたおじさんには、やっぱりテーマは「愛」っていうファンタジーは少し眩しかった。しかし、ディストピアSFっぽいのもあったりして、たくさん出てくるパラレルワールドはどれも魅力的。今なら映像化しても面白いかも。2021/04/22
ふがし
3
とてもきれいでやさしい小説。2010/06/05