内容説明
「おれはこの都会を、われとわが手で台なしにしてしまった」大恐慌後のパリを舞台に、かつてそこで全てを―妻、娘、自らの人生を失った男の喪失感を切々と謳いあげた名品「バビロン再訪」他二篇。第一次大戦後の好況と精神的解放感から花開いた喧騒の20年代、ジャズエイジの竈児として時代を駆け抜いた著者の代表作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lune
13
フィッツジェラルドの作品は第一次大戦後のアメリカ社会と、それに揉まれる彼の数奇な人生と切り離せない。後期の作品をおさめたこの短編集には、そんな彼の人生の喪失感や憂いに満ちている。街の風景やざわめき、生きている肌触りがなんとも美しく綴られている。生活費のために短編ばかり書いていた後期作品は批難されがちだったようだけど珠玉の作品も多いと思う。『バビロン再訪』はパリの描写もよく、読み返したい作品。 装画の親子の後ろ姿も、色合いといいストーリにぴたりとはまっている。 2014/02/10
mon
2
20歳の私にフィッツフェラルドは遠いかも2022/06/23
Minno
1
再読。 アメリカ文学の底の浅さ加減が良い。2016/01/22
misa
1
小説を読んだというよりも、街並みとか心の動きとか、生々しく空気と雰囲気を味わったという感じ。
光太郎
0
バビロン再訪、上手い短編だなあ、と痺れた2017/05/07