感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
21
終わりよければすべてよしとばかりに元の鞘に収まる結末は予定調和の感があるものの、そこに至るまでの物語、妻の尻に敷かれ、十代の子どもたちもよそよそしいしがない学校教師の中年男性と、そこに飛び込んできた生き生きと自らの画業に打ち込む若い肖像画家の間に生まれ、育って、消えてゆく恋の物語は、姦通小説という言葉が不似合いなほど瑞々しい。とりわけ小川のほとりの場面、画家が突然泳ぎ出したり、自動車が泥にはまって転覆するところから始まる秘密の共有あるいは共犯の関係は、二十代の時に原書で読んだときも今回も心に残った。2025/11/13
mata-auhimade
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60年前の作品。「鐘」よりも面白く読めた。主人公モアの男の滑稽さに対し妻ナンのしたたかさ、かつ女の狡さ、ヒロイン、ミス・カーターの魅力、ロンドン郊外のパブリックスクール周辺の描写がいきいきと描かれていた。イギリス文学の伝統を踏まえている通俗ロマン。2015/09/06
ボウフラ
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微妙2015/01/23




