集英社文庫<br> 明暗

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集英社文庫
明暗

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  • サイズ 文庫判/ページ数 757p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087520606
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

結婚して半年、平凡に暮らす津田。しかし夫婦仲はどこかぎくしゃくしていた。昔の恋人・清子の居場所を知った津田は、密かに彼女の元へ向かう。人間のエゴイズムを描く未完の絶筆。(解説/山城むつみ 鑑賞/水村美苗)

内容説明

何不自由ない新婚生活を送っているかに見える津田とお延。実は手元不如意の上、津田は持病に悩まされている。津田のかつての恋人・清子の存在が夫婦の生活に影を落としはじめ、漠然とした不安を抱く二人。自らの善意を疑わず彼らに近づいてくる吉川夫人や津田の妹・お秀、始終厄介事を持ち込む友人・小林など一人ひとりのエゴがせめぎあう。複雑な人間模様を克明に描く、漱石の絶筆にして未完の大作。

著者等紹介

夏目漱石[ナツメソウセキ]
1867~1916。江戸・牛込生まれ。生後すぐ里子に出される。東京帝国大学英文科卒業。1900年から3年、ロンドンに留学。05年『吾輩は猫である』を発表、好評を得る。近代知識人の内面を鋭く描いた小説群は、日本文学の大きな収穫とされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

aika

55
主人公は津田ですが、その妻お延の物語だと思いました。他人同士が結ばれて、家族になることの全てが、ここに描かれているような気がします。危険極まりない津田の友人小林や、小賢しい小姑お秀、苦手な吉川夫人に頭を悩ませる日々。愛してやまない津田からの愛されようと強気であれこれ立ち回るものの、うまくいかず敗北したり。純粋さから生まれる打算が、恋する少女を大人に変える、その切なさがもの哀しいです。人の心が縁に触れて変わる、一瞬の微妙な心理描写には圧倒されます。その些細な心の変化が、明暗を決めていくのだなと思いました。2017/03/12

ネムル

18
大傑作。後期三部作は『こころ』を高校時に読んだきり、他の二作も『道草』も読んではいない。それでも、未完の本作を漱石の長篇ベストと断ずるのは、別に奇をてらった意見でもなかろう。優柔不断で世間体を気にする津田とコンプレックスを抱えも津田の愛を希求するお延、二人を襲うエゴバトルエゴバトル、終わりなき闘い。愛の不可能性への細かく執拗な描きっぷりに夢中に読んでしまった。また、クリーピー香川照之ばりに非対称的で超越者の小林の造形が不気味。アウトサイダー『猫』に始まる漱石の小説が、ここで小林に到達するのも不思議である。2016/12/21

ホシ

16
虚飾、虚言、偽善、我見……正義が貫徹しない人間の言動、すなわちエゴイズムを鋭く克明に描いた作品。700ページに及ぶ大作であるが、漱石特有の難解な漢語は鳴りを潜め、意外と読みやすい。私に言わせれば、津田も、お延も、小林も、吉川夫人も、お秀も、み~んな”かまってちゃん”。”ああしてほしい、こうしてほしい”とはっきり言わないくせに、思う通りにかまってもらえないと、ヘソを曲げる面々。それはもう、いささか食傷するほど。しかし、彼ら・彼女らの姿は、取りも直さず私の姿でもあったりして、例によって、また同属嫌悪に陥る…。2017/10/13

あいくん

12
☆☆☆☆☆主要な登場人物は津田、お延、お秀、吉川夫人、小林、清子の6人です。 最後の方にしか登場しない清子ですが、はじめの方から津田の心の中には登場しています。 キーパーソンは清子です。 津田は寝る前の一時間か二時間を机に向かって過ごす習慣を持っています。 津田は勉強家です。 専門的な本を読んでいます。 頭の回転も速いです。津田が入院するときにお延が着飾ってきた理由を鋭く見抜きます。猜疑心も強いです。 お延も猜疑心が強いです。 津田、お秀、吉川夫人が共謀して何かしているのではないかと勘ぐります。 2018/02/10

田中峰和

4
優柔不断な津田に苛々する。痔の手術程度に悩み、嫌な友人小林との関係も切れず、お延の悪口を言う妹すら諫められない。立派な学歴と職業をもつのに、親の仕送りを受ける津田。お延を想う気持ちはあるのに、きちんと伝えないので、妻は自分の立場に不安を募らせる。当時にしては珍しい恋愛結婚のお延は、従妹のお継から羨望を受け、叔父の岡本から買被られる。ヒロインにしては珍しく容貌劣者のお延は、美しいお継とお秀へのコンプレックスに悩む。さらに夫の過去の疑惑の存在がそれに拍車をかける。そこに自己表出の露骨な今との差異が読み取れる。2016/10/02

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