内容説明
ざわざわ鳴るススキの中に、「西洋料理店・山猫軒」がありました。都会から猟に来た二人の紳士が、入ってみると…表題作「注文の多い料理店」ほか13編収録。これを読んだあなたは、世界を構成している基準が揺らぎ、自分と他者の間がきしんだ時の痛み、恐れを感じながら、魅力的な賢治ワールドを発見するでしょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
53
〔再読〕人間以外の生物に人間の感覚を持たせて物語にしていて、人間社会に対する問題提起や教訓が含まれている作品です。しかしこの作品は、良くある童話と決定的に違っていて、これは悪の側から見たストーリーであると思う。自分と他者の間にあるズレが、段々ときしみに成ってゆき、相手に対する攻撃的な感情、これを総じて悪の側から見たと表現する事が合っているように感じる。子供の時から、何度となく読んできた宮沢作品ですが、今再読して印象が結構違う事にも驚いた。年齢と供に定期的に読むべき作品だと、再確認しました。2014/09/28
扉のこちら側
43
初読。2014年1157冊め。ブラックユーモアが多い。フランドン農学校の豚の設定。猫の事務所のかま猫がいじらしい。2014/12/20
多田幾多
32
あああ、宮沢賢治と言えば「銀河鉄道の夜」だと思っていたけど、まさかまさかこんな怖くておぞましくて不思議で、よく分からないものを書いていたのか……。短い文章ながらも、そこには恐ろしい話や滑稽な話や悲しい話、そしてニヤリとしてしまうのが入ってる。コレはまるで、「注文の多い料理店」みたいだ2013/07/04
優花 🍯モグモグ
26
読む人、年齢によって様々な見方が出来る。教科書で読んだ時と大人になって読んだ時の印象も違っていた。たまに古典文学を触れるのも良いのかも。2012/09/15
ぜんこう
23
教科書やアンソロジー以外では宮沢賢治を読むのは初めてかもしれない。小川洋子さんのラジオで表題作が紹介されたので図書館で借りてみた。<悪>を集めた13編。後味は良くはないけど、この時代を(もしかしたら現代も)表現していて面白くもあり怖くもあり。今度は「銀河鉄道の夜」も借りてみたくなりました(漫画でしか知らないので^^;)。2016/03/09