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出版社内容情報
愛と、孤独。心まるごと持っていかれる読書体験。宮崎夏次系の連載デビュー作、待望の単行本化!
偽りの幸せは、絶望の味がする。
ーーひきこもってしまった、僕の姉。優しく完璧だった姿は、もう、見当たらない。
ありのままの自分で誰かと繋がることなんて、もはや幻想でしかないこの世界で、
行き場のない虚無感に立ち向かった、作者初の長編作品!
ひきこもってしまった姉、カルト教団らしき怪しげなクラブ活動に熱を上げる父母、そんな家族と真正面から向き合えない「僕」……。壊れかけた一家を通して描かれる、誰かと繋がっていたいのに誰とも「本当」にはつながれないすべての人に贈る、99%の絶望と1%の希望の物語。
【著者紹介】
これまでにないマンガ表現を模索する絵柄や描写で、評論家や目利きの書店員から2010年代を牽引する逸材として注目を集める。
作者の初単行本『変身のニュース』(短編作品集)が文化庁メディア芸術祭マンガ部門「審査委員会推薦作品」に選出されるなど、今、もっとも今後が期待される若手作家の一人である。
『変身のニュース』に続き、発売された短編作品集『僕は問題ありません』は、「俺マン」トップ10入り&「このマンガがすごい!」にランクイン。他の作品集に、『夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない』、『ホーリータウン』(すべて全1巻)がある。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りりす
22
宮崎夏次系の中でも特に言葉にし辛かった。トラックに乗るところで何かに解放されたような気がした。きっと強い気持ちで何かしたから、解放される(ような気になる)ことが出来た。その何かが「他人の運転するトラックに乗せてもらう」だとしても。2015/10/04
G
20
ひどく不安定な物語だ。リアルではないが不条理でもない。正常でも異常でもない。細く弱々しいキャラクターの線に、妙に大胆な構図が、より一層物語を不安定にさせていく。誰もが当てはまる日常を盛り込ませつつ、それを真向から潰していく展開は「結局物事なんて解ろうと思ったって解かるもんじゃない」と言われているようで辛かった。 センチメンタルな気持ち悪さが残る作品。 次作はもう少し強い気持ちの時に読もう。 2015/10/13
浪漫
19
宮崎夏次系さんは短編ばかり読んでいたので珍しい長編に新鮮な気分で読み終えました。重いテーマを宮崎夏次系さんの不思議な絵で表現されている世界観はとっても好きです。最後の番外編はハッピーエンドのようだが完全にハッピーエンドではない。アパートの管理人がずっと碇ゲンドウに見えていた僕はどうかしている……
gelatin
16
★★★★ ちょっと前の作品なのか。表紙から『箱男』(安部公房)を連想するが、世界から隔たって生きられるかというモチーフは共通かもね。切ない物語であると思う。逃げたい、どうにかしたい、戦わなきゃいけないんだろうな、でもどうやって?という弱い者全てが抱える葛藤とそこからの逸脱。あくまでも逸脱であって解放ではないのが作者の若々しさかも。いやぁ、好きです夏次系。2015/10/12
ツキノ
13
むむむ。ちと難解。ひとつ感じたのは親が子にぶつける理不尽さは、夫婦関係の不和が根本の原因である、ということ。これは「みんな、それぞれいろいろあるんだよ」っていう話ではない。2015/11/21