内容説明
「死んだら、埋めてください。大きな真珠貝で穴を掘って」そう言い残して逝った女の墓の傍で、男は百年待った…。不可思議な幻を紡ぐ「夢十夜」そして、美しさを追い、心のやすらぎを求めた「草枕」。絵画的で詩情あふれる文章の中に“理智の人・漱石”の側面をも覗かせる名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
55
再読です。芸術や美について追求する『草枕』が面白かったです。『夢十夜』は幻想的な雰囲気が相変わらず好きだと思いました。絵画的な抒情を感じる世界観を味わいました。2025/02/04
優希
49
夢と幻想を描き出す『夢十夜』に酔いました。何度読んで大好きな作品です。芸術や美を求め、情緒あふれる『草枕』も美しい。この世とは違う世界に誘われる2編はとにかく美しく、体にスッと入ってきます。名作ですね。2024/02/15
さっとる◎
46
いくつ夜を通りすぎようとも只只暗いだけである。「ああもう朝は来ないのだな」諦念した時に「それは夢だよ」と声がしたのでこうして目覚めることができている。暗い中に二十の己、二十八の己、三十三の己と幾つもの己を見続ける行為の中で無は露とも薫らず諦めからの怒りやら恐怖やらが育ってしまって絶望はより深く重くなった。もう少しで身動きがとれなくなるところであったよ、ありがとう。礼をしようと頭に手をやれば、あるはずのパナマがないのである。起きているあの私は屹度パナマを被った男子であった。終わらない夢と現はどこが違うのか。2019/11/25
かいちゃん
45
夢十夜は、ぞわぞわってなって面白かった。こういう怖さって、なんだかぞくぞくするわ。草枕は、僕には高尚すぎて文字づらを読んだだけで、なかなか理解できないところも多かった・・・・2019/02/26
Nobu A
38
読書会課題図書として購入読了。夏目漱石と言えば「吾輩は猫である」や本書「草枕」を部分的に中学か高校で読んだ覚えがあるが、遠い過去のことでうろ覚え。「夢十夜」は初読。あの当時と比べて語彙力はかなり高まり、文学作品の中では晦渋な文章もなく読み易い措辞。しかも「草枕」の冒頭は含蓄のある名言。しかし、読み進め頭に入ってくるかと言うと別の話。今一掴みどころがない。逆に西洋嫌いが目に付く。「西洋の食物で色のいいものは一つもない」や「西洋の菓子でこれほど快感を与えるものは一つもない」等。英国=西洋は用管窺天ではないか。2023/09/12




