内容説明
「さぁ、絵にしてごらん、わたしの話したことを」月はそう言った―大都会の屋根裏部屋で淋しく暮らす貧しい絵かきに、夜ごと月は自分が見てきた世界各地のできごとを語りかける。それは、ヨーロッパ各地からインド、中国、アフリカにまでおよぶ詩情豊かな美しい物語であつた。旅を愛した童話詩人アンデルセンの若き日の連作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
51
月が語る33編の小さな物語。幻想的な絵が目の前に浮かんでくるようでした。美しい世界です。2021/07/01
emi
40
毎夜とも限らないけれど、夜毎現れるお月様。お月様は、どんな国のどんな人のドラマをも見ている。33夜のドラマは中身も様々で、読んでいて感じる気持ちも全然違ってなかなか感想が難しい、まさに絵のない絵本。お月様が語る、自分が目撃した夜の風景、夜の人々の物語には、旅人のように通りすぎる風景に見えるけれど、次の夜にまた見られていることも。お月様に隠し事はできないなぁとも思うし、見ることしかできない視線は、何かを変えられないジレンマのようにも感じられます。人生は幸福も不幸もすぐそばにあるんだなぁとなぜか感じた一冊。2017/04/02
☆エンジェルよじ☆
15
原文に忠実に訳されているとのこと。私にはとても読みづらかった。2011/05/12
紫苑@低浮上
11
原文に忠実な訳だそうなので文法に慣れるまでが読みにくかった。というか慣れても読みにくかった。解りにくかったけどこの解りにくさは嫌いじゃない。自分が、詩人の言葉の意味は本人にしか解らない、という偏見を持っているからか。2010/06/29
伊瀬有佐
9
倒置法で読み辛い……と思ったら、原文に忠実なんですね。2010/10/23