内容説明
東京帝大に入学するため九州から上京した小川三四郎にとって、東京は新鮮な驚きに満ちていた。里見美禰子と出会い、強く魅かれてゆく自分に気づいたのも、その驚きのひとつだった…。若者の恋と失恋を描いて常に新たな感動を呼ぶ青春文学の傑作。
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
43
他社文庫で初読、再読。2015年697冊め。集英社ナツイチ2015読破のため今年2回目の「三四郎」。ストレイシープ。表紙イラストになんだか見覚えが、と思ったら空知さんか。2015/06/27
Tsukamo
36
印象的な場面や台詞が多くあった。初めて美禰子を見かけた時はさぞや衝撃を受けたのだろうなと想像できる。三四郎と美禰子、または与次郎や広田先生、野々宮、よし子がこの小説の主な登場人物だが、(一)の同じ宿に泊まる女性が三四郎に放った「あなたはよっぽど度胸のない方ですね」はまるで自分に向けられた言葉のように感じてしまい一瞬放心してしまった。解説が非常に詳しく、こういう風に読むこともできるんだなと感じた。2015/07/12
meri
31
ふむ。三部作の第一作目を再読です。三四郎が頭でっかちで赤ん坊なインテリもどきに見えて、あまり好感がもてませんでした。彼に美禰子が惚れていたとは考えづらい気がします。彼女が愛していたのは野々宮で、彼は真のインテリだからこそ恋愛にのみのめり込んだりしない男で、結局彼女は社会の中で生きるために代替可能な別の男と結婚したという解釈を推したい。三四郎は結局、女性を必要としながらも屈することを拒む男性社会に対する美禰子の復讐(というか腹いせ)の的だったのかな、と思います。それにしても広田センセイ、素敵ですね。2015/08/18
MINA
31
2015ナツイチ本。途中から朝日新聞デジタルで相関図や現代版『三四郎』のイラストを参考にしながら読破。想像してたより読みにくさはそれほど無かった。大学を舞台に理屈っぽい登場人物たちを読んで、森見登美彦の『四畳半神話大系』を連想してしまった(笑)時代背景が違えど、大学生ってなるほど確かにこういう感じだよなと思った。頭の中で延々と考えを巡らせてる感じが。美禰子は野々宮と三四郎のどっちに気が合ったんだろう?『銀魂』の空知先生描いた表紙も見つけて、せっかくなら同じ集英社なんだしそっちを買いたかった…!無念。2015/08/16
いおむ
26
全く予備知識無しで読み始め、どんな作品なのかも手探り状態。漱石作品は「こころ」しか読んだことないし。詠み終わり解説読んで新聞連載だったことと、時代背景が分かり納得。(量子論にこじつけ過ぎな気もしましたが)ただとにかく表現の仕方が素晴らしい。今の時代の作家には無理と思われる日本語の使い方が刺激的ですらあった。2022/08/27