感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kanamori
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☆☆★2010/10/10
MIRACLE
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サスペンスに力点をおいた作品をまとめた推理短編集。本書の趣旨は、推理小説は冒頭の設定と結末の意外性に力点をおいてきた。そのため、冒頭から結末までが中だるみしやすい。それにたいし、主人公を特異な状況におけば、結末の意外性にくわえ、展開の意外性を生み出すことができる。というもの。実際、読んでみて、この試みは成功したとはいいがたい。主人公が悲惨な末路を辿るケースがおおく、読後感がよくないのだ。例外は「影を愛したわたし」で、これはよかった。なお、本文庫は、単行本の七編のうち一編を割愛し、新たに二編を収録している。2013/06/08