集英社文庫<br> 玩具 (〔新装版〕)

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集英社文庫
玩具 (〔新装版〕)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 284p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087501827
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

199
第53回(1965年)芥川賞。 小説家の妻 春子の心理描写が巧みな 物語である。極端に自分勝手な夫 志郎に じっと耐える 春子の視点は 昭和の良き妻を 想起させる.. 地味だが、夫に対する細やかな愛情が 印象的な作品だった。2017/08/13

ヴェネツィア

172
第53回(1965年上半期)芥川賞受賞作。数ある芥川賞作の中でも地味度では屈指の1篇か。登場人物は春子と志郎の夫婦。春子が初めての子供を懐妊していることからしても二人はまだ若いはずなのだが、あまりそうした印象を与えない。ことに夫の志郎がそうだ。小鳥、独楽鼠、蘭鋳への偏愛と、その一方での妻、春子への無関心。破綻しているというわけではないものの、夫婦の関係性は希薄である。そこに春子の煩悶もあるのだが、彼女はそれを改善する気も、またそのすべも持たない。子供にしか拡がりの余地を託せないところに小説の限界を感じる。2015/02/27

absinthe

159
何気なく切り取られたような、夫婦での生活の投げやりな一場面。妻に関心が無いかのようで、小動物や変わったものに執着する夫と、夫の顔色をうかがう生活しかできない妻。いびつで丸くない二人が、何とか居場所を見つけようとあくせくするが上手く収まらない。半ば抵抗し、半ばあきらめしだいにそれなりの形に落ち着いていく。これが夫婦なのか。2022/02/22

kaizen@名古屋de朝活読書会

153
【芥川賞】肺の手術で肋骨を5本除去した男。妻が妊娠で臭いに敏感にもかかわらず、次々と臭いのする小動物を買ってきて死なす。我が儘な事実を記録しているが、性格を描写していないような気がした。主人公は妊婦の方で、気持ちの描写があるが冷めている気もする。不思議な世界。2014/02/22

shizuka

48
「玩具」の夫、モデルは昭氏なのだろうか。それとも切り離して読んだ方がいいのだろうか。この夫簡単にいうなれば、だめんず。だめんずだろうが夫なのだから、精一杯尽くして行こうとふんばる妻が健気。たまに見せる笑顔や、優しい言葉に舞い上がってしまう純粋な心も悲しい。分かっているけれど好きな人に笑顔向けられたら嬉しい。それが刹那であっても。他これまで読んできた女性の結末とは少々異なりハッピーエンドもある。絶対どんでん返しくる…と構えてたら、あれ?幸せになってる!節子さん描く物語に、易々と翻弄される読書の時、心地よい。2018/02/17

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