内容説明
父親の死が近づいているのに女優のゆり子は番組に出演しなければならない。録画撮りが始まって、彼女はスタジオのあちこちに時計があることに初めて気づく(時計)。停年の翌日から家の前を掃き出した貞冶が知る町の顔、妻の声(朝の竹箒)。息子のような若い男に恋心を覚えた京子の戸惑い(二足のハイヒール)。日常に溶けこんだ“物”たちを通して浮かびあがる男と女、オトナと子供の様々な人生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
50
小説家は、作品のなかでどんなひとにでもなれ、どんな生活も送れる。その楽しさを端的に示している。2018/02/03
Baro
11
大都会,東京の片隅で紡がれる,さり気ない日常を描いた短編集。一編一編にテーマとなっている「物」がある。ちょっと切なかったり,ちょっと危うかったり。優しかったり,ほんのちょっぴりの狂気が見えたり。一番好きだと思ったのは,「水槽」。「青いヘルメット」も好き。2013/12/06
モリータ
0
副題で落ちてるシリーズ 彼岸花ってこんなに何気なく咲いてるのねー2011/10/03
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- 和書
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