内容説明
従来出版されていた「小説作法」とか「文章読本」などは小説の書き方だけに力点がおかれてきた。しかし、本来、書き方と読み方のふたつは一体のものではないか。このふたつがいちばん調和のとれているのが、吉行さんである。彼のエッセイの中から、小説の読み方、書き方に関するものを選び、その小説作法の秘密を明らかにした。
目次
１ 小説の書き方（利休鼠の雨；「祭礼の日」から３０年；メモの切れ端；「皿の苺」と入れ歯；野間賞受賞の挨拶；ダダ雑感ほか）
２ 対談（夢・鏡・迷路；女について）
３ 小説の鑑賞法（幾つかの「一冊の本」；森茉莉「薔薇くい姫」など；田中小実昌氏を推す；色川武大「怪しい来客簿」推薦；深夜の妄想 ほか）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ギルヲ
1
久しぶりに吉行淳之介さんの文章に触れたくなってちょっとづつ読みました。平易だけれど他の人には書けない文章だという印象は変わりませんが、中高生の頃に読んだ小説ほどスッと頭に入る感じはしなかった。この本がそれほど面白いものではないのか私が順調に馬鹿になっているのか。たぶん後者（泣）2017/12/05
