内容説明
ポルティモア・ワシントン国際空港に降り立つと同時に、日本人刑事ニッキはグロテスクでアラベスクな殺人事件にまき込まれる。「アッシャー家の崩壊」「ベレニス」「黒猫」そのままに展開される連続殺人事件。犯人も被害者も共にポオの熱狂的愛続者なのか?最もデュパンに近づいた子孫ニッキの宝石のように明晰な頭脳が光る。本格推理長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
読書遍歴備忘録
1
名作だと聞いていましたがその評判に違わぬ良き本格ミステリ。事件を装飾する"ポオ"の影。様々で微かな謎と不可解な状況。事件がかなり複雑でなかなか見えてこない中、"事実"を積み重ね見えてきた真実とその過程の推理は実にお見事です。クイーンが好きな人には是非読んで欲しい(読者への挑戦状もあります)。 本編だけでなく"『アッシャー家の崩壊』を犯罪小説として読み解く"試みが載っていましてそれもかなり面白かったです。この小説を読むために何冊かポオの作品を読んでおいてよかった。2017/11/14
ちょく
1
翻訳という体裁のミステリ。どういうわけか読み始めると眠気を誘発することこの上ない作品で、読み終えるのに一週間くらいかかってしまった。個人的には、なぜこの作品はこんなに眠くなるのか、これが一番のミステリだった。エドガー・アラン・ポーの作品に精通しているとより楽しめる作品のようである。自分はほとんどの作品を読んでいないのでピンとこない点も多かった。読書経験を積んでからいつか再挑戦したい。2014/07/24
縛の場
1
真相及びあるロジックには感心させられた。翻訳調かつ教養主義的であり、あまりのめり込めなかったのが残念。「A・『アッシャー家の崩壊』を犯罪小説として読む」が大変興味深く、この解釈を基にプロットが練られたと考えると、最後に示される効果は大きい。2012/08/27
Daisuke Yamada
0
巻末に付された「アッシャー家の崩壊」を恐怖あるいは幻想小説ではなく、犯罪小説と読み解いた解釈が圧巻。そしてその解釈を本編に取り込むメタ構造になってるのもすごい。 でも読みにくい・・・・2017/03/22
コマンドー者
0
85年に発表され、その後の新本格への影響も大きかったという、本格マニアには評価の高い作品。翻訳調の文体を駆使し、戦前の欧米の黄金期の作品を彷彿とさせるロジック志向や、最後の論文解釈がそのまま事件全体の鍵となるなど構成は見事だが、反面、小説として面白いかと言われると微妙なんだよな・・・・。マニアが絶賛しているが、そこまで凄い傑作とは思えず・・・。2022/08/13
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