内容説明
歌舞伎界の名門“中村屋”にゆかりの人びとが語る中村屋三代への熱い思い―多くの名舞台をのこした十七世中村勘三郎の人間的魅力。二十一世紀の歌舞伎界を担って立つ勘九郎の舞台への意気込み。そして勘太郎・七之助兄弟の歌舞伎への一途な思い。舞台では見ることのできない芸と人生のドラマが、数々のエピソードをもりこんで繰り広げられる感動の一冊。
目次
第1幕 十七世 中村勘三郎(米吉・もしほ時代;米兄ちゃんの悪戯;父・勘三郎 ほか)
第2幕 五世 中村勘九郎(親子喧嘩;友情;赤い糸 ほか)
口上 亡き父とともに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
16
この本を拝読して、教育テレビで放映された先日の追悼番組でなぜ「髪結新三」が選ばれたかわかった。途中ひどく泣いてしまった。いまだに亡くなったことを信じたくない。2012/12/31
みちゃこ@灯れ松明の火
3
18代中村勘三郎が「自分が70代になって息子達と演じ…」というくだりがとても悲しかった。いろんな方が中村屋に関わっていて…その一つ一つがいとおしく思えてなりません。18代がいなくなっても私は中村屋を贔屓にしていきます。2013/06/29
sawa
3
☆☆☆☆ 再読。インタビュアーの質問部分がなく、一人語りのようになっていたり、先代勘三郎、当時勘九郎の芸談が挿入されていたりという構成がいい。波野久里子の奔放ぶりが凄すぎて怖い。勘太郎と七之助が先代のことを「じじんちゃま」と(今でも)呼ぶのがとってもかわいい。2010/11/19
ドイツ語勉強中
2
中村屋を取り巻く人々の語りを通して、イキイキと蘇る遠い日々。私はカンクシチ世代なのでどうしても二人を応援せずにはいられない、気になる存在。お父様の歌舞伎を観る機会は無かったけれど、読後思わず、さようなら歌舞伎座公演のDVDをポチり。お父様の素晴らしさを知りつつ、二人を応援していきたい。2015/02/06
絶間之助
1
最近、「平成の藝談」を読んだり、NHKのファミリーヒストリーを見たりして、十七代目、十八代目の勘三郎を思い出し、再読しました。私が歌舞伎を見始めた学生時代、二人の連獅子が歌舞伎座に掛かった時の熱狂的な舞台を思い出しました!又五郎、久里子の十七代目の思い出が、わがままだけど繊細な人柄をよく現していました。十八代目の話は、延寿太夫、七代目芝翫の話が面白い。本人の談からも六代目菊五郎、二代目松緑を尊敬していたことがよく分かりました。これが想い出話になるなんて、悲しいです。今の勘九郎、七之助、頑張ってね!2019/03/01