内容説明
少年時代の何年かを病床で過ごし、読書が至上の楽しみだった著者。以来、その読書遍歴&耽溺はハンパではない。内田百〓、G・ホワイト、G・ギッシング、金子光晴、夏目漱石、S・モーム、J・ルナールなどなど、古今東西の作家と作品をとりあげ、その魅力を縦横に語った、滋味あふれるエッセイ集。
目次
貝の光沢 玩具の手沢―鹿間時夫『美の遍歴』
琴と文章―内田百〓『比良の虹』
英語の虫―市河三喜『昆虫・言葉・国民性』
若き隠遁者―ギルバート・ホワイト『セルボーンの博物誌』
御鷹狩り―蜂須賀正氏『南の探検』
孤独な放浪者の夢想―ギッシング『ヘンリ・ライクロフトの私記』
蛍の樹―金子光晴『マレー蘭印紀行』
明治の油絵―寺田/寅彦
不良少年の昆虫学―中原和郎「少年昆虫学者」
魂の地獄巡り―夏目漱石『坑夫』〔ほか〕