内容説明
吹雪の大晦日、沼沢地で車の事故を起こした貴族探偵P・ウィムジイ卿は、教会の鐘の音に誘われて、近くの村へ助けを求める。牧師館に宿を得た彼は、村人たちを手伝って、一晩中、新年の鐘を打ち鳴らした。そして、春。村の素封家の墓から身元不明の死体が発見され、ウィムジイ卿は捜査を依頼される…。奇抜な殺人トリックと英文学の香気。クリスティと双璧をなすミステリーの女王、セイヤーズの傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
asobi
6
昔、浅羽さん訳で、途中で挫折してほったらかしにしてしまっていた。今回、訳ありで読もうと思って、集英社版を読んだら、読みやすくて完読。最後まで読まないと、全くもったいない、傑作でした。ちなみに、平井訳も読みかけたんですが、まんじゅうで挫折しました。2023/07/29
クロモリ
4
乱歩の十選全部読破しましたが、私の中ではこれが文句なしの一位です。充実したストーリー、鐘の荘厳な響き。トリックはドイルの「バスカヴィル家の犬」に匹敵すると思います。鳴鐘術にはわからないところも多かったですが、イギリス人の鐘に対する敬意と畏怖が伝わってきました。ロンドン五輪でも印象的に鐘が使われていましたね。登場人物が魅力的で、ウィムジィさんがいい人。訳としては浅羽訳より大分さっぱりしているようですが、卿やバンターの一人称は浅羽訳より良かった。小説として読み応えのある推理小説が読みたい方に是非お勧めです。2012/06/30
nightowl
2
登場人物たちが饒舌すぎて、文学史に残るというのは大袈裟では・・・話の大半が証言で占められているためなかなか展開が進まないのがもどかしい。ウィムジイ卿がフランスに行く中盤辺りでやっと事態が明瞭になってくる。何故被害者は死んだのかについては、1ページほどであっさり流されており折角の奇抜な発想がもったいないことに。作者が書きたかったとされる、最後に村に起こる変化だけがらっと雰囲気が変わって盛り上がるため、村の春夏秋冬の生活ぶりなども書かれている方が結末には馴染んだように思う。創元の同シリーズより落着いた翻訳。2009/04/01
かなやんきよやん
1
イギリス文学の古典。人々は基本善良でつつましいが豊かな生活を感じさせる。謎が解明されて行くうち空気が軽く、色が鮮やかになっていくのはなぜだろう。。。2025/03/28
あなた
1
あ~なつかしや。なつかしいけれども、記憶がねえ。でも、読み直さないよ。それほどのもんではなかったってことは覚えてるんでね。2009/07/10
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