内容説明
外科医のカルテにはドラマがある。お腹を開けて、予想しなかった状態に唖然としたり、突然の出血にきもを冷したり、輸血を拒否する“エホバの証人”の手術をしたり、毎日が闘いだ。敢然と病魔に挑み、正義感にあふれる現役外科医が、患者と医者のありかたを、カルテをとおして描く、生と死の感動のエッセイ集。
目次
“エホバの証人”との出会い
変遷する“国民病”
“仁”に程遠く
死者への接吻
ある老女の死
モーチョーは「盲腸」
日本医療史の恥部
指の汚れは流せるが
されど贖罪の日々
目が離せなかったヒーロー達〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
近藤
40
外科医の日常を描いた短編集。しんみりする話が多い。今では考えられないような医療描写が多々あり、90年代からの医療の歴史を考える一資料としては面白いかもしれない。2016/12/29
kinkin
14
外科医から見た患者の人間模様や、医療について描かれている。 「死者への接吻」という話は心を打たれた。あと医学の専門用語が出てくるので、お医者さんでないと分からないところも随所にある。2014/03/26
まっちぼう
1
外科医であり孤高のメスの著者である大鐘先生のエッセイ集。当麻先生は大鐘先生そのものだったのね!2012/01/22
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- さゆり 〈下〉 文春文庫