内容説明
「よい古本に巡り合うのはむずかしい、生涯の恋人に巡り合うほうがよっぽどやさしい」とのたまう貧書生ことアラマタの、悲しくもおかしい古本まみれの人生の来し方。本を愛し、本に癒され、本に囚われたる日々の、知的悦楽に満ちた告白的読書日誌。他に、いかによき古本を手に入れるか、ノウハウをも伝授する。
目次
第1部 腐っていく収集家の日記(もしも書物の海があれば;一九八六年一月 ああ、本足りて一生終わる;一九八六年五月 書物の謎、都市の謎 ほか)
第2部 読んだ本・読めなかった本(読書日記;少年時代に置き忘れた一冊;わが青春のラヴクラフト ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポスト丸山眞男・寺
21
荒俣宏が今の私くらいの年齢(30代後半〜40代前半)の頃(昭和末〜平成初頭、『帝都物語』で世に出た頃)の、古本を中心とした生活記録と蘊蓄が第1章(表題作)。有名な平凡社に寝泊まりした伝説の実際が書いてある。荒俣宏は1947年生まれなので、今年2014年現在もう67歳なのか…。自分もあっという間に高齢者になるのだろうかと思うと切なくなる。本の話はもちろん好きな私だが、高価な洋書の稀覯本の話題が多いので、私程度の本好きの読書意欲が湧く話題はあまり無い。サラ金で借金して本を買っていたのだなぁ。2014/05/30
すけきよ
2
ちょうど博物学の西洋古書を集められていた時で、オークションや目録買いの様子が延々と書かれている。20年前の話だから、今はまた全然情況が違うんだろうけど、本好きならひじょうに楽しめると思う。自分の古本蒐集とは全く比較にならないけど、それでも、見習ったり、にんまりする所多々あり。 2004/09/05
冬至楼均
1
楽しそう。2014/08/27
yo27529
1
久しぶりの荒俣本。しかも均一本の箱の中から拾いだし、嬉々として家にかえったらすでに購買済みでした。文庫じゃなく最初の版が欲しくなりました。伝説の平凡社住み込み時代が目の前に浮かんでくる時期の収書話。桁外れで面白いです。2013/11/11
小林ミノリ
1
とある特殊な古書に魅せられた、痴人の愛、信仰の告白、その魔道に堕ちたもの達へのレクイエム、古書を愛しつつ人生をも愛する冴えたやりかた。