内容説明
果して夫が妻を殺したのか?迷信家で気まぐれでわがままな病身の妻が、占い師の「青い花は死をもたらす」の予言どおり、寝室の壁紙の花が青に変色したことで、恐怖のあまりショック死したという。(「青いゼラニウム」)おしゃべりでせんさく好きな老嬢マープルが、持ち前の洞察力で事件の真相に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
52
世界の名探偵コレクション第8弾。アガサ・クリスティ氏が生んだ、ポアロと並ぶもう1人がミス・マープルです。「火曜クラブ」「愛の探偵たち」等からの8作の短編集です。タイトルが出版社により違っているので、注意が必要です。例えば本作の「マープル、風邪をなおす」は、管理人事件や管理人と花嫁と題名が付いていたりするからです。シリーズの特徴は安楽椅子型であり、一つの小さな街や家の中で完結する事です。コージーミステリの先駆けであり、ほのぼのとしていて情報収集はおしゃべりなのです。くり返し読んでも楽しめる、そんな作品です。2015/11/28
くるみみ
14
ミス・マープル短編集(ブックオフで購入)。短編だからさすがに最初からマープルさんが出て来るのが多い。8編全て鋭い観察眼からの推理が気持ち良い。被害者に対して悲しみを持ち、鋭い観察眼で推理をして事件を解決するのにおばあさんらしくおしゃべりが止まらなかったりする(それをわざと利用したりもする)。これがcozyミステリーかぁ~とやっと認知した。 「やすらぎの地」に登場したマープルさんが名付け親となったバンチが『予告殺人』にも出てるとのことで楽しみが増えた。2022/11/27
そのじつ
10
「サンクチュアリ」以外は「火曜クラブ」などで読んでいたけれど、巻末の大津波悦子の解説と赤川次郎のマープルに寄せた感想が楽しかった。解説は収録作の紹介に止まらず、クリスティの年譜から始まりマープルシリーズの一覧まで入った至れり尽くせりの物でクリスティ初心者には大いに勉強になった!また彼女がクリスティに寄せる親近感あふるるコメントもおもしろい。こういうの大好物。赤川氏のマープルに対する所感も非常に同感!という気持ちで愉快な読後感だった。「サンクチュアリ」の主役格バンチは「予告殺人」にも登場している。好人物。2023/07/21
有沢翔治@文芸同人誌配布中
4
アガサ・クリスティと言えば、エルキュール・ポアロが有名だが、ミス・マープルも外せない。この老婦人はセント・メアリ・ミード村に住んでおり、村からあまり外に出ていないのだが、人生経験が豊富で村の噂話が大好き。どこにでもいる近所のおばあちゃんだが人の話を聞いただけで真相にたどり着く。本書はミス・マープルの活躍を収めた八編を収録。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51520554.html2021/09/10
里
0
短編集なので、さらっと読める。なんとなくのイメージで、マープルは鉄の女だと思っていたので、「ミス・マープル、風邪をなおす」でインフルエンザにかかっててちょっと笑ってしまった(←失礼)最後の「やすらぎの地」が一番好き。2013/06/08