内容説明
それは北海道に住む母と二人きりで向かった鳥取へのご先祖様墓参ツアーから始まった。結婚問題をめぐる数年来の母娘デスマッチのゴングが鳴る。話すほどに事態は混迷。母親がテレビの結婚相談に出演したことを知った娘は憤り、ついに絶縁状をたたきつける。恋愛、結婚、離婚、オンナの仕事、友情、そして世間とは。夢見がちな娘とニッポンの母の超パワフル激闘エッセイ。
目次
ご先祖さま探訪ツアーはこうして始まった
母娘旅行はつねに戦場である
恋人と母親のグチの違いを考察する
ゴングはすでに鳴っていた
私はなぜ恋愛問題で常に冷静なのか、について
人間、いやいや人生いたるところ青山じゃなくて戦場あり
女はトイレで泣いて生まれかわるのだ
最終戦争前夜
そして娘は伝家の宝刀を抜いたのだった
母の詫び状〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅわ
25
氷室冴子さん勝手に再読祭りの番外編にエッセイを読んでみました♪ こちらはタイトル通り、母娘のエピソードを中心にした一冊で、お母様との結婚問題をめぐる数年来のバトルが壮絶で…こんなに書いちゃって大丈夫?と心配になるホドです。それにしても…娘に内緒でテレビ出演して“氷室冴子”の名前を出して結婚相談しちゃうなんて…お母様もスゴいなぁ~ テレビを見ていた視聴者も、さぞ驚かれた事でしょう。母上からの詫状は必読モノです。なんだかんだいいつつ、この母娘は仲良し&似たもの同士なんでしょうね。2014/06/20
アイリーン子
9
これも久しぶりに再読。ストーリーといい構成といいまるでフィクションのようだけれど氷室さん曰く完全なる実話だそうで驚愕。以前読んだときは私もまだ若く旧世代の価値観を押し付ける氷室さんのお母さんに腹が立って「疎遠にすればいいのに!」と憤ったものだけれど、齢を重ね自分も母という立場になってみるとその古い考え方自体には全く賛成できないにしてもつい子どもに口出ししたくなる気持ちはわからんでもないなーと少し不憫になったりもした。氷室さんのいっそ清々しいほどの鋭い舌鋒もすっぱり切れない情の深さもなんだか人好きがする。2019/06/16
あけの
5
この母みてると実家の母を思い出す 20代30代だと読めなかったろうな~ 母の呪縛に全く気付かずにいてもそこから抜け出したいと思ってた頃では身に積まされすぎて 距離をとって少しは客観的に母を見れるようになってからかな笑い飛ばせるというかなんというか 2019/01/20
newheaven
5
母親との「結婚しろ」「しない」バトル冴子編。なんだかんだで仲が良さそうだ。口当たりの良い文章がほんと懐かしかった。ご冥福をお祈りいたします。2010/10/14
VIE
4
どの家庭も母娘関係って難しいんだなぁ…。暴走する母上に憤慨しつつも付き合っている作者は忍耐強い。2011/11/17