内容説明
恋人の義継と吉野の桜を観る秘密旅行に出た静香は、伏見稲荷大社で不思議な青年に出会う。細面で吊り上がった目、静香の鞄にさげた狐の尾ホルダーに異様な関心を持つ男は佐藤忠信と名乗った。母と子の哀切な物語、名調子「義経千本桜」。ヤン・ジロドーとピータ・ハッチの東海道二人旅を描く「東海道中膝栗毛」。知識のある人には更に面白く、知らない人にも十分楽しめる日本文学全集の底力を見よ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言
2
予想以上(失礼!)。なので世界文学全集も探さないと…2015/11/05
みっちゃん
2
古典文学のパロディーにするという発想が面白かった。外国人を旅人にした「東海道中膝栗毛」小田原でのお風呂の場面や浜松での幽霊は原作通りとか、作者の生活をもとに書かれた「吾輩は猫である」が面白かった。「浮雲」での、言文一致で有名だが、原作の文を色々な時代の文章にしたのも、面白かった。いつか、原作も読まなければ。読んだことがあるのは、「吾輩は猫である」だけである。お恥ずかしい。2012/08/27
ウララ
2
今回は「浮世床」で現代の美容院を、「吾輩は猫である」で作家自身の生活を書いたエッセイが面白かった。現代っ子が全然怖がらない「東海道四谷怪談」も読んでいて笑ってしまった。2012/07/28
bunca
2
江戸・明治期の文学のパスティーシュ。女殺油地獄を湾岸戦争に例えたり、東海道中膝栗毛を日本を旅する外国人に置き換えたり面白かったです。「吾輩は猫である」のパスティーシュが好きでした。2011/12/29
ふたば
2
第1集よりもひときわ清水氏の本領が発揮されている印象。特に現代日本の小説に関する先見の明が当たらずとも遠からじ、いやもう細かいところまでユーモアに富んでいてほんとうに面白い単行本。2010/09/02