内容説明
ロスアンゼルスに一か月の滞在ののち、北上してサンフランシスコへ。さらに大陸を横断してニューヨークに向かう。東海岸線に沿ってアメリカ最南端フロリダのキーウエストに下り、今度は南部を横断し再びロスアンゼルスに戻る。全土200日、2万マイルに及ぶモーターホームでの漂流。現代の漂泊者であり、時代の観察者であり続ける著者が、目と心と体でとらえたアメリカの今。考察的旅の記録。
目次
写真の女
アルパカを逃げせ
ホテルM
きょうの朝、微笑みほどの愛をもらえば
灰(アツシュ)
アメリカの月
ロッキー
雪と10セント
シカゴ
フリージア物語〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
25
アメリカをモーターホームで旅した紀行文。非常に珍しいシャッターチャンスを撮らえ、極上のアングルで切り取る。天性の才能を感じる。若かりし頃に読んだ記憶が蘇る。2020/03/28
アマヤドリ
10
直に見つめて感じたからこその新鮮な考察。けれど後半はちょっと「アメリカ像」への頑なさに疲れてしまったかも。マイケル・ジャクソンの火傷の事件のことが聞いてあってなんてタイムリーなんだ…と驚く。“痴呆青年”って…。2009/06/30
k.m.joe
9
なぜ、世の中には日本に限らずアメリカナイズされたものが多いのか?ひとつの解答が本書にはある。2014/08/27
葉隠
5
これも凄く良かったです。 全編 愛おしく読みましたが 特に(渚にて)は絶品でした。 5ページ程の掌編なので全編暗記したいほど痺れました。 藤原さん、有難う。2020/03/14
RYOyan
4
ちょっと昔のごく普通のアメリカの空気感、今の日本に通じるものがある。マクドナルドとディズニーランドの話には納得させられた。だだっ広い荒野を駆け抜けるコンボイを思い出す。どこまでも平坦な世界を吹き抜けるドライな風の中、終わりの見えないドライブを続けてる感覚。いつもとは違う内部の視点からアメリカを見つめると、なんだか虚しくも親近感のある郊外の風景が広がっていた。2012/12/23