内容説明
群雄割拠の血で血を洗う戦乱の渦が静まりつつあった後漢王朝の時代。17歳の班超は憧れの地、西城へと出陣する夢を抱いていた。後に西域都護として名をはせる武将の若き日の姿であった。だが、その地は…武術と妖術が乱れ飛ぶ、漢と匈奴の対決の場であった。兵を率いて最前線で闘う班超に襲いかかる度かさなる危機と、「裏墨家」対「戌陰陽」の果てしなき抗争。英雄の波瀾にみちた生涯を描く歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うたまる
2
「虎穴に入らずんば虎子を得ず、という。われわれは、今宵虎穴に入る!」……後漢時代、西域を版図に組み入れた班超の一代記。著名な故事成句の元となったのは、およそ4倍の匈奴を奇襲する際に班超が部下を鼓舞するために言った言葉らしい。この他、有名どころでは「五里霧中」の語源も出てくるなど、薀蓄系の記述が多く嬉しい。また方術、陰陽、墨家などの異能集団の活躍が描かれ、てっきり伝奇エンタメ路線ものと思いきや、意外に『後漢書』に忠実な作品と知り驚いた。あまりポピュラーな題材でないのに、いろいろと満足。2014/01/22
BIN
2
西域を平定し、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」の故事で知られる班超を描いた作品。漢書の著者である班固の弟でもある。裏墨家という技術者や妖術使いが現れたりするが、それほどファンタジー色はない。スーパー文官一族なのにこんな武に秀でた人物が登場してくるのは不思議ではある。甘英もちゃんと出てくるし、想い人である馬欣と70才越のじいさんばあさん同士で最後の1ヶ月添い遂げるところなんてよかった。2013/10/18
洪七公
1
既読本1996/07/01
シシン
1
虎穴に入らずんば虎子を得ずの語源になった班超という人物の話です 班超の父・兄・妹と漢書を作成した文書家。その中でも文武両道という姿は読んでいてすがすがしかったです。
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