内容説明
「つらい!何度も死のうと思いました」テレフォンサービスに訴える子供たちの悲痛な叫び。「このままじゃ『生きジゴク』になっちゃうよ」と自殺した鹿川裕史君の事件のレポート。いじめに苦しむ子供たちへのインタビューなど、学校問題を追ってきた著者の取材記録を集め、陰湿化してきたいじめと学校制度の関係、その解決の道をさぐる。
目次
まえがき いじめを追い続けて
第1章 いじめを訴える声の渦
第2章 「鹿川君事件」を追って
第3章 いじめの風景
第4章 「いじめ」が消える日
あとがき いじめ対策への提案
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ひがし
6
『(前略)俺だって、まだ死にたくない。だけど、このままじゃ『生きジゴク』になっちゃうよ。ただ、俺が死んだからって他のヤツが犠牲になったんじゃ意味ないじゃないか。だから、もう君達もバカなことをするのはやめてくれ、最後のお願いだ。』あぁ、この遺書を、私、一生忘れられないんだろうなぁ、と漠然と思った。それくらい強烈な遺書。いじめが原因で命を絶つ子供たちがひとりでも減ってくれればいい、その為に、今私たちが出来ることはなんなのか。2016/02/23
紅都@アカウント移行中
3
先輩が絶対君主であることは、いつの時代も変わらない。というか、~さんなんて呼んだら殺されますね。ホント。比喩じゃなくて、学校は「生きジゴク」です。入学したら最後、三年間逃げられない。2012/07/04
ネイティブ・バイオあざらし
1
15年前の、あの陰鬱とした光景が蘇ってきた。当時の私は、出口を求めて本書を手に取った。当時と今とでは状況はまるで異なるが、あの無機質で灰色の教室は私をなかなか解放してくれない。同級生からの陰口、先輩からの暴力や火薬銃での狙撃。タバコの吸い殻が廊下に散乱し、火災ベルが鳴り響く。当時は凄まじかった。本書の初版発行は約30年前の1994年。インターネットを介したいじめの誕生など、状況は大きく変化した。いつの時代にもいじめはある。だからこそ、本書で語られる対策8箇条は強力な指針たりえるのだ。子どもたちよ負けるな!2025/10/21
寛理
1
だいたい人間というのは「いじめられる側に問題がある」と考えがちである。これには意志的に抗いつづけなくてはならないのではないか。あと、「個性」というのは批判されがちな言葉だが、とりあえずいじめをやめさせるためにはこの言葉は実際、有効なんじゃないか。単に「他者」と言った方がいいかもしれないが。2020/08/16
海(カイ)
1
読んだ本の表紙は違うんだけどね。いじめが、リアル的に感じた頃だったな。




