内容説明
『三国志』時代の実力者の一人、孫策は不覚にも２６歳の若さで生涯を終えた。それはなぜなのか？（『孫策の死』）。諸子百家の時代、儒家と並び称された墨家の教えは、なぜ歴史の彼方に消滅したのか？（『墨守せしもの』）。兵法家・孫松とライバル〓涓の凄絶な裏切りと報復を描く（『〓涓 この樹の下に死せん』）など、中国の古典に材をとった英雄たちのドラマ６篇を収録。温故知新の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
6
孫策、墨家、龐涓と孫臏、荊軻と高漸離、冒頓単于、南柯の夢の６つの短編集。最後以外は他の作品でもよくある話ですが、唐代を扱った古典小説であり、初めて聞いたのでこれを読むだけでも貴重な気がします。夢の中での２０年の生活が現実を暗示していたというのは面白い。2017/05/10
のんたん
3
数ある中国古代史の短編集の中でも、読んでいて面白いと思う一冊。物語が淡々と書かれているが、心に残るフレーズもしばしば。特に、高漸離が死の間際に荊軻との友情を悟るシーンは感動そのもの。2015/10/14
洪七公
1
既読本1995/09/03
鐵太郎
1
中国古代史を舞台にした小編6作。三国志の呉の国の皇帝となった孫権の兄、孫策。歴史の中に消えていった、「墨守」の語源となった墨家の伝説。孫子と呼ばれた男の一人、孫松、のちの孫臏（そんびん）の復讐譚。始皇帝の暗殺を企てた壮士、荊軻を見守る楽師。前漢の時代に匈奴を支配した冒頓単于の若いころ。最後は唐の時代、夢の中で恩返しをされた青年の物語。古い本だけど、伴野さんの描く中国は、面白いね。2014/12/12
