内容説明
僕はポルノ出版社のカメラマン。友人の神崎は編集者で、母親とのセックスが最高、という変わった男だ。彼に紹介された美女・沙耶を間にはさんで、僕と神崎はいつしか三角関係に…。清新な文体で現代の性を追究した、すばる文学賞受賞の話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉野ヶ里
13
あらすじから想像していたのと全然違った話で、驚く。面白い。神崎という在り方を私は感覚的なところで理解出来る。単なる虚言癖でありながら、それは人生観と結びついてしまっていて後戻りが出来ないのだ。沙耶のような女の子が実際にいるものかどうか……。エロ業界での仕事に興味がある今日この頃。そういえば、古き良き写真主体のエロ本ってなくなっちゃいましたね。みーんなDVDの宣伝になっちゃって……。エロ自販機ってのも見たことないなあ。セックスすることと愛することは別のことなのに、絡まっているからややこしい。2014/11/17
hikarunoir
8
石井隆追悼に読む。彼が脚本をさり気なく己の美へ寄せ差異化される。ビニ本、雨、運命の女。後の石井作品の既視感は、俺に寄生済みだったからなのだ。2022/06/30
tenma
2
25年位前に作られた映画(高樹沙耶のデビュー作)の原作。映画には余り良い印象がなく、暗めのちょっとエッチな感じとしか覚えていない。ストーリーを覚えていないので、古本屋で見付けて読んでみることに。。。▼すばる文学賞の受賞作と言っても、大鶴義丹の「スプラッシュ」や佐藤正午の「永遠の1/2」より前だし微妙に古い。自販機本とか、ビニ本とか、どこへ行ったんだろう。▼性や快楽の欠落の時代を表現したかったのかもしれないが、どぎづさ、グロさが目立って、すっきりしないストーリーと併せて消化不良は否めない。2011/03/20
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