内容説明
はるか古代から続く「ヒ」一族は、国が動乱期にさしかかると、特殊な能力を使って危機を救ってきたといわれる。その能力とは、御鏡、依玉、伊吹と呼ばれる三種の神器を使ったテレパシー、テレポーテーションであった。物語は戦国の世、織田信長の比叡山焼き討ちから始まり、関ヶ原、幕末、太平洋戦争、そして戦後の混乱期へと四百年の時を越える。歴史の襞の中で動く「ヒ」一族を圧倒的スケールで描くSF伝奇ロマンの傑作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
37
☆☆☆★ 第1回泉鏡花文学賞。このSFが受賞するあたり、泉鏡花文学賞の懐の深さが伺いしれる。内容は奇想天外なタイムスリップ、歴史もののSF。タイムスリップは誰しもがあこがれる設定で、特に戦国時代や江戸時代へのタイムスリップものが多い中、戦国時代から太平洋戦争の時代へと飛稚がタイムスリップという設定はなかなか秀逸。明智光秀や坂本竜馬がヒであったというのも何だか肯けてしまうほど心憎いプロット。トンデモ本の位置づけになるかもしれぬが、この想像力は凄い。2017/11/06
はらぺこ
36
好き。 〈ヒ〉一族は凄いねんけど、意外に呆気ないねんなぁ・・・。『仮面の忍者 赤影』的なんを想像してたんやけどなぁ・・・。 実在するのかどうか知らんけど「ヒ」に絡めた地名はオモロイ。希望としては卑弥呼まで遡って欲しかった。 教科書程度の有名な歴史上の人物を知ってて超古代文明とか好きな人にオススメ。 物語に関係無かったけど作中に登場する、名前に『東大寺』が隠れてる『蘭奢待(らんじゃたい)』を検索したら実在してたのでビックリ。 「ここで『藤堂』を持ってきたか!」と感動した。読めば分かります(笑)2010/11/29
とも
28
★★★☆昭和48年に書かれたというから、45年前の作品となる。文書技術は古臭くて読みづらい面はあるが、徹底的に掘り下げたこのような作品が当時に書かれた事は驚きである。古代より日本を影から支えた<ヒ>一族の、戦国期から現代までの関わりを日本史のトピックスやキーマンを絡めて滔滔と述べられていくストーリーは一大叙事詩である2018/12/31
GaGa
28
古の頃から、陰で日本を支えてきたヒ族。織田信長から始まり幕末、太平洋戦争、終戦等。400年の時を超えて進む伝奇SFの傑作。10代の頃読み始めて挫折し、ようやく今、最後まで読むことが出来ました。2010/08/12
桃水
25
2012/08/28:歴史の裏で暗躍する特殊能力者一族の話。ツッコミ所は多々あるものの戦国時代からアポロ計画まで出てくるスケールの大きさに引き込まれました。2012/08/27
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