内容説明
欲しいものは欲しい、結婚3回目、自称鮫科の女「るり子」。仕事も恋にものめりこめないクールな理屈屋「萌」。性格も考え方も正反対だけど二人は親友同士、幼なじみの27歳。この対照的な二人が恋と友情を通してそれぞれに模索する“幸せ”のかたちとは―。女の本音と日常をリアルに写して痛快、貪欲にひたむきに生きる姿が爽快。圧倒的な共感を集めた直木賞受賞作。
著者等紹介
唯川恵[ユイカワケイ]
1955年金沢市生まれ。金沢短期大学情報処理学科卒。銀行勤務を経て84年「海色の午後」でコバルト・ノベル大賞受賞。以後、恋愛小説やエッセイを発表し、02年「肩ごしの恋人」で第一二六回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
301
第126回(平成13年度下半期) 直木賞受賞。 萌と、るり子という22年来の 友達を対比させながら、 女性たちの恋愛観、結婚感を 描く。るり子という、欲しいものは 他人のものでも奪う嗜好の女性が 面白い。おそらく同性の皆に嫌われて いても、意に介さない、そんな女性が 確かにいる。そして、萌・・恋愛観は もしかしたら、こちらの方が 現代的かもしれず、ここに15歳の崇を 入れた関係は、等身大の「今」 なのかもしれない。2013/12/15
さてさて
252
キョーレツな思考を一才の躊躇なしに表出していく主人公のるり子。そんなキョーレツな存在を二十二年にもわたって『騎士役』として支え続けてもきた主人公の萌。この作品にはそんな二人が肩ごしに恋人が見える生き方に幸せを見る物語が描かれていました。るり子のあまりのはちゃめちゃぶりに呆れを通り越す感情が支配するこの作品。そんなるり子から付かず離れず二十二年という萌のある意味でのクールさに本物の強い女性を感じるこの作品。唯川さんの狙い通りのあまりに読みやすい物語に肩肘張らない直木賞!を感じたインパクト最大級の作品でした。2024/07/07
青葉麒麟
223
【るり子】の生き方って中々出来るもんじゃ無いよね?ちょっぴり尊敬。2011/07/14
おしゃべりメガネ
185
こちらの作品も前から読もう、読もうと思っていて、なかなかタイミングが合わず読めてなかった作品です。唯川さんの直木賞受賞作品となれば、必然的に期待が高まるワケでして、そんな期待を裏切るコトのないステキな雰囲気の作品でした。今でいうアラサー女子二人の友情(腐れ縁?)を描いた内容で、ありきたりといえばありきたりかもしれませんが、そのありきたりさがとても良かったです。オカマのマスターがとてもいいキャラで、こんな風にモノゴトをハッキリと言えるステキなオトナになるべきだなと。唯川さんの文章は本当にキレイでしたね。2020/02/22
Atsushi
167
朝起きて顔を洗って鏡を見る。改めて悟らされる。「俺の顔はいつの時代になっても『流行り顔』にはなれない」。性格の全く異なるアラサー女子萌とるり子の恋愛物語。萌と家出少年崇とのラストの別れが切なかった。お母さんが二人いるのも満更悪くないかも。読後さわやかな一冊。第126回直木賞受賞作。2017/07/30
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