• ポイントキャンペーン

集英社文庫
狂王ヘロデ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 488p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087477368
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

ヘロデ大王。ローマ帝国の庇護の下でユダヤの王となり、都市・神殿・水道などの土木事業や経済を発展させる一方、異常な猜疑心から妻子や縁者、貴族や祭司を次々と謀殺。宮殿は権謀術数の渦に呑まれてゆく。キリスト生誕にまつわるベツレヘムの赤子殺しなど、強圧的な政治を敷いた王の姿を、側に仕える竪琴弾きの目から映し出す。数奇で劇的な生涯を緻密に描き、人間の欲望と悪の本質を問う。

著者等紹介

曽野綾子[ソノアヤコ]
1931年東京生。聖心女子大英文科卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鐵太郎

8
ユダヤの地にメシア(救世主)が現れるかもしれないという風説を恐れ、その年に生まれた赤子をすべて殺したとされる新約聖書の登場人物、ユダヤ王ヘロデの物語。こんな世界が、こんな歴史があの時代にあったのではないか、ヘロデとはこんな人物であったのかもしれない、というテーマで魅力的な人々を紡ぎ出した作家の筆の冴えは見事。物語は、「穴」と呼ばれる口のきけない楽士の奴隷の視点で描かれます。2004/10/20

kaguyam

4
統治は難しい。良いことは当たり前のこととして忘れられ、悪いことのみ記憶に残るという表現には重みを感じる。ごく淡々と出来事が第三者視点で描かれているから盛り上がりには欠けるのだけど、王の立場の孤独さは際立つ。狂王というにはまともな人間だった気がしてならない。 「そうか?ひがみは偉大な才能だ。ひがみがないやつなどと、私は付き合う気にもならん。」2015/05/01

ランスロット

3
少年の眼を通して、私たち読者はヘロデ王の素顔の苦しみや悲しみを知ることになる。見事に構成された物語。映像を見るがごとく伝わってきます。この文章力には完敗です。2012/05/31

なおり

2
この本は読んで欲しい一冊。 権力とはなにか人々が羨む階級の真実を明らかにする。 声が出ず他者とのコミュニケーション手段がない故に王の身辺にいた楽師が語る王の姿。権力とは善か悪か。人がいかに弱く、怖いものか。人は王の才とカリスマ性に惹かれ、一方でその残虐性に恐怖する。彼は偉大なのか悪魔なのか。 立場により異なるその評価。 読者はどこに共感するか。 2018/02/06

kurokurumi

2
どろどろした権力闘争の世界。人を信じることができず、妻や子供、近親者を次々処刑する狂王。しかし、彼は、人を見抜く目を持ち、卓越した建築士としての知識を持ち、抜群の政治センスを持つ王だった。王として人の上にたち、国を守り君臨するためには、機能として権力を求め、守ることが必要だった。 奇麗ごとではすまない、人の上にたつことの裏の面をみることができた。著者の生き生きした人物描写でどろどろの物語であっても、吸い寄せられるように読んでしまった。登場人物が多く人間関係が複雑なので、相関図は事前にしっかりチェック。2012/12/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/438891
  • ご注意事項

最近チェックした商品