内容説明
文芸誌編集長・三村は、高岡真紀と名乗る女性から投稿原稿を受け取る。その原稿は、突然姿を消したある作家志望の女性が、かつて彼に見せた作品と全く同じであった。「盗作か?」謎を探るため、高岡真紀に面会した三村の前に、驚くべき事実が…。電子出版で大ヒット、話題を呼んだ大型新人のデビュー作・待望の文庫化。
著者等紹介
望月諒子[モチズキリョウコ]
愛媛県生まれ。神戸市在住。銀行勤務を経て、学習塾の教師を勤める。01年、デビュー作である『神の手』を電子出版で刊行し、好評を博した
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
H!deking
88
ドラマ化ということで、こないだ間違えて先にシリーズ最新作の蟻の棲家読んでしまったので、今回はこちら。蟻の棲家は読みやすくてすいすい入り込んだけど、デビュー作のこちらは前半ちょっと読みにくいところはあります。視点が散らかってて詰め込みすぎなのかな。後半は怒涛の展開で一気読みですね。逆に言うとこれがデビュー作だと思うとプロットは凄いですね。どういう風にドラマ化されるのか楽しみ!シリーズ追い掛けます!2023/05/12
papako
64
シリーズ遡って一冊目。解決したはずの誘拐事件と作家の卵の失踪。そして盗作疑惑。一人の女をめぐる二人の男のそれぞれの身勝手な想い。そして小説を書くという狂気。このシリーズの先にあるような物語ではなく、まるで幻想小説のような不思議な語り口でした。きっとこれから読んでいたら、シリーズ読まなかったかも。私はこういう文学論のような話にはまったく興味がないからなぁ。ただ、美智子が真実を丁寧に追っていくところはやはり面白い。そして初めて美智子の外見の描写があった。思っていたのと違ったけど、やっと顔ができました。2019/12/25
ミスターテリ―(飛雲)
40
才能ある小説家が失踪、10年後彼女が書いた作品が別人の手で編集者に持ち込まれるが、なぜか持ち込んだ本人が書いたと主張することから始まるミステリー。「大絵画展」と同じく、この作者の特徴なのか前半を辛抱強く読んでいくと、後半にかけての謎解きが一気に動き出して俄然面白くなり、ここまで読んできてよかったと納得する。特にこの作品は、登場人物の言葉をかりて、作者の小説を書くことはなにかというテーマを含み、強い想いが詰まっている。デビュー作にしてこの構想力と表現力、 恐ろしいほどの才能と力量を感じる渾身の作品であった。2024/03/25
猫ぴょん
29
望月諒子作品2作目✨ 伏線があちらこちらに張り巡らせてるんだろうなーと思いつつ読む。「蟻の棲み家」を読んでいなければ挫折したかも😅文体に慣れていないと読みづらいかな? 登場人物それぞれの狂気が垣間見えて、この物語の落とし所はどうなるのか?大まかな部分は想像通りだけど。 繋がりそうで繋がらないもうひとつの事件の理由に驚く。 そんなに業が深い職業なのー😰ちょっとどうなのそれって。 狂気と執念がある意味ホラーなお話しでした😱 2023/02/12
香翠
27
漸く読み終えられたと言うべきか、あゝ読み終えてしまったと思うのか、兎に角ちょっとした疲れを感じている。途中まで、あれとそれとこれが何処でどうに繋がっていくんだろう???と、まるで迷路に迷い込んだかのよう。何か読み落としがあったのか、伏線を見逃したのか惑わされたまま終盤を迎え、やっと真相が分かった(のか?)気がしている。これがデビュー作なんですね。2023/03/30
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