内容説明
魏の曹丕、蜀の劉備に続いて、呉の孫権も皇帝を称した。名実共に三国が鼎立したことになる。呉と蜀の盟約の辞に怒った魏帝は孫権暗殺を命じた。一方、蜀の丞相・孔明は数次の北伐を試みるが、魏への侵攻を果たせず、焦りを見せていた。そして第五次の北伐。最終決戦の臍を固めた孔明は、奇策に打って出る。「死せる孔明、生ける仲達を走らす」とは。
著者等紹介
伴野朗[トモノロウ]
1936年7月愛媛生。東京外国語大学卒。朝日新聞記者を経て作家に。76年「五十万年の死角」で江戸川乱歩賞受賞。歴史と冒険・推理を組み合わせた作風で独自の世界を展開
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感想・レビュー
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gonta19
24
長年積ん読状態だったもの。購入詳細不明。 2013/7/30〜8/2 本巻は主に孔明の活躍が描かれる。劉備亡き後、蜀を背負って立つ孔明は北伐を繰り返すも、志半ばで倒れてしまう。前巻に続き、有名な逸話「死せる孔明、生ける仲達を走らす」を伴野流にアレンジ。このアレンジがこの後どう展開されるのか。いよいよ最終巻へ。2013/08/02
BIN
7
公孫淵滅亡まで。ついに孫権が皇帝となるも徐々に耄碌してきたのか外交に失敗して公孫淵に翻弄されたり、佞臣を寵愛したりしている。本巻を読んでいると魏はマイナーな名将(田豫とか)が多くいて、呉は有能な文官(潘濬とか)が多くいて、蜀にはまともな人材が少ないという印象を受けた。夷陵の戦いのせいにしているが孔明の軍事不得手さからか武将が育ってないだけのような気がする。いよいよ最終巻、最後の呉帝孫晧のラストに期待したい。2016/05/13
蛇の婿
6
伴野三国志もいよいよ五丈原です。三国志の大いなる魅力の一つに孔明の存在がありますが、この巻ではいよいよその孔明に死が訪れます。司馬懿が無能じゃないところに好感。…神農能人との最後の対決もありますが、こちらはすこし…親を殺す、というのは、中国ではモラル的にものすごいことのはずなので、そのへんの説明とか葛藤とかをもう少し書いて欲しかったなぁ…次回、ラスト巻!2012/08/06
くっちゃ
4
諸葛亮が実は軍事が苦手だった。これは意外。演義のイメージが強いから完全無欠の頭脳の持ち主だと思ってたけど、まあ欠点がない人間はいないよな。ただ諸葛亮の場合、軍事が苦手と言っても人並み以上には出来たわけだから、欠点とは言えないかも。むしろ馬謖をはじめ、人を見る目が劉備より劣っていた。そっちのほうが欠点かも。2012/05/04
kazu
2
孔明が死に、三国志もとうとう後半に突入。「死せる孔明、生ける仲達を走らす」の解釈はおもしろかったです。 神農能人との決戦ですが前2人に比べるとあっけなく感じました。 変身途中に攻撃、鏡を使って能力反射、ときて、最後は娘の方が能力が上だからそいつに任せるって・・・。娘が親を殺すのに抵抗を感じない事情があるにはあるが、その説明が唐突すぎる。 それと、孫権は絶対暗殺されないと分かっているにせよ、孫権絶体絶命の描写をしておいて、その次の行で数年後の孫権の話をいれるのはいかがなものか?緊張感がなくなる。2013/02/17