内容説明
臣従を申し出た呉の孫権が蜀と同盟した。魏の曹丕の怒りはおさまらない。魏軍は南征するが、長江を前に愕然とする。対岸一帯に戦闘用の楼郭が聳え立っていた。疑城であるとは知らず、魏軍は撤退を余儀なくされる。さらに翌年も猛烈な寒波に襲われ、またも敗退せざるを得なかった。一方、蜀の孔明は魏への北伐を決意し、劉禅に「出師の表」を奉じる。連携して、呉の陸遜は淮南に兵を進めた。
著者等紹介
伴野朗[トモノロウ]
1936年7月愛媛生。東京外国語大学卒。朝日新聞記者を経て作家に。76年「五十万年の死角」で江戸川乱歩賞受賞。歴史と冒険・推理を組み合わせた作風で独自の世界を展開
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感想・レビュー
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gonta19
25
新規購入ではなく、積読状態だったもの。 購入詳細不明。 2013/7/24〜7/27 呉・三国志と言いながらも、この巻は蜀の第一次北伐が中心。有名な「泣いて馬謖を斬る」のエピソードも。そこを上手くアレンジしたのは見事。いよいよ後2巻。2013/07/27
蛇の婿
10
この巻は、南征、石亭、街亭と来て、いよいよ神農三羽烏の最後の一人が登場します…この巻で一番面白かったのはやはり馬謖の扱いでしょう。周魴にスポットを当てた石亭も面白かったのですが、個人的にはどうせやるならもっともっと彼をメインにした石亭をやってほしかったので、すこし物足りなさが残ります。主人公孫朗を孫堅の五男のところを孫策の五男と書いてみたり、あとがきで于禁と楽進を混同してみたり、作家、担当、集英社の校正の恥がこの本によって日本中に晒されているあたりは別な意味で笑いが止まりませんw2012/06/29
BIN
8
孔明の第一次北伐後まで。濡須の戦いに石亭の戦い、その他交州のことやら比較的本巻は呉のことが多かったのでよかった。曹棄のある意味自爆と孫歴の死ということで諜報機関も世代交代か。韓当が久々に出てきたけどよくよく考えたら呉なのに黄蓋とか程普とか呉の宿老的存在がほとんど出てこないのも珍しいなと今更ながら思った。「泣いて馬謖を斬る」の新展開、実際にはないんだろうけどこの展開は面白い。2016/04/30
くっちゃ
5
諸葛亮、孫権共に南征を実行。後顧の憂いを断ち遂に北伐を開始。物語はとうとう大詰めといった具合。ここで司馬仲達が歴史の大舞台に本格的に登場する。ていうかこの人戦で活躍し始めるの結構後の方なんだ。馬謖の件は個人的に熱い展開だ。2012/04/28
kazu
4
魏では文帝から明帝へ世代交代。石亭の戦いで、魏の重臣である曹休を謀略で打ち破られても大勢に影響がないっていうのは、魏の底力のすごさ。 蜀の南征の七縱七禽と馬謖の処分が、伴野版三国志らしく独特のとらえ方でおもしろかった。2013/01/31