内容説明
生まれ育った小さな町での結婚を前に、言いようのない憂鬱をおぼえはじめた由希。そんな折、高校の後輩と再会し、心が大きく揺れだして―(「果実」)。熱烈に口説かれ、引きずられるようにして克己とつきあいだした妙子。だが、いつしか恋の主導権は逆転し、不安に駆らけた妙子は執拗なまでに恋人を追いかけるが…(「死ぬほど好き」)。女たちが抱える愛の闇を鮮やかにうつしだす八つの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カピバラ
39
THE女性目線の小説。面白いんだよな~やはり。昼ドラ的な要素が強いですが。「果実」「花火」が好き。2015/11/11
しょこら★
27
愛と欲に溺れる女たち。すごく淫らで嫌らしいのに、なぜか気持ち悪くはない。自分のなかにも、こんな子たちがすんでるのかな… 傲慢で高慢で、浮わつくこころ。乙女チックで、甘く淡い若い恋心。じゅうぶんに熟してるのに、どこか瑞々しいお話たちは、『死ぬほど好き』っていうより『白桃』という感じ。2014/02/02
coco夏ko10角
26
8つの作品収録の短編集。表題作の印象は強い。全体的に著者作品を読んだことが無かった頃にイメージしてた林真理子作品。2015/10/04
扉のこちら側
22
初読。温かさや柔らかさといったものではなく、背徳巻や暗い影がある恋愛短編集。2013/01/01
アコ
21
8篇収録の短篇集。いずれもピンと来ず。全篇ともに登場人物の年齢をプラス10歳として読んだほうがしっくり来る。それくらい年齢に関しては時代を感じる描写が多いのは残念。小説のなかに女性心理や男女関係における諭しが多く、エッセイ要素も強い気がする。官能的な性描写が多いけども意外と下品なかんじはしない。このなかでは元夫婦の再会を描く『お元気ですか』が斬新さがあって好み。表題作もあと一歩なにかあれば。『憶えていた歌』は傑作集「約束」で既読。2017/02/22
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