内容説明
現在、大部分が中華人民共和国とされているチベットは、古くから独自の文化を保持してきた。この本は自然の奥深く生きる豊かで智恵のある暮らし、そして敬虔で不屈な精神の拠ってたつところを探る。鳥葬の儀式、チベット医療、暦法などのなかから、チベットの現在の本当の姿が浮かんでくる。
目次
1 怪鳥の里
2 消されたらくがき
3 一〇〇〇のバターランプ
4 カルマゲリ先生
5 川のふるさと
6 ロサ、タシデレ
7 チャンパツェリンが死んだ
8 サカダワのラサ
9 一九九九年
著者等紹介
渡辺一枝[ワタナベイチエ]
1945年、ハルビンに生まれる。87年に18年間の保母生活に終止符をうち作家活動に入る
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感想・レビュー
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金吾
24
チベットに見識が深い著者なので期待値が高かったです。チベットの習慣が紹介されていて興味深く読めました。「消された落書き」「1000のバターランプ」が良かったです。ただ鳥葬に憧れている理由が鳥葬の記述があっさりしていることもありわからないままでした。2024/01/06
Lilas
2
お風呂で読む用に買った古本。チベットの風俗について興味深く読みました。ただ、途中、ご自身の娘さんにふるった理不尽な暴力に引っかかって、ずっとモヤモヤ。チベットへの愛情は感じるんですがそのモヤモヤが大きすぎて。残念。2022/07/15
あきこ
2
チベットといえば、昔「7イヤーズインチベット」のイメージだったが、中国が進行してからのチベットについては何も知らなかった。本書も2003年出版なので現在ではもっと中国化していることだろう。本書にでてくるチベットの人々の穏やかな信仰との暮らしは先進国ではもう手にすることのできない人間らしい暮らしだ。それをずっと続けてほしいと思うのも先進国の自分勝手だが、伝統を奪うというのは目に見えない暴力だろう。中国の横暴は世界中から非難を浴びているが、チベットを助けようとする声は小さい。それが残念だ。2016/01/28
riko
1
★★★☆☆2023/08/03
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- 洋書
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