内容説明
古代エジプトにおいてシナモンやガーリックなどのスパイスは、儀式と化粧に利用された。また大航海時代が始まるとヨーロッパ列強は、インドや東南アジアに殺到し、食卓を彩る食材としてだけでなく、黄金にも匹敵する財産として手にいれようとしたのである。馴染み深いカレーに必要不可欠のスパイスがたどった時空の旅は―。その定義からルーツまで全てがわかる。
目次
プロローグ スパイスの摩訶不思議な魅力
第1章 古代の権力者たちとスパイス
第2章 オリエントはスパイスの桃源郷だった
第3章 スパイスへの憧憬とマルコ・ポーロの旅
第4章 ヨーロッパ人たちの大航海時代の幕開け
第5章 ポルトガルの凋落と新興勢力の野望
第6章 誰が最後の勝利者だったのか?
エピローグ 人間のあくなき欲望とスパイスの魔力
著者等紹介
井上宏生[イノウエヒロオ]
1947年佐賀県生まれ。ノンフィクション作家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まつ
4
タイトルの通り、スパイスに関する歴史や文化について書かれていた。エジプトやインドの太陽信仰があり、布を黄色く染色出来るサフランやウコンが重宝されたことなど興味深い。そして、高校の歴史でも軽く触れる香辛料獲得のための西欧諸国の航海の歴史。コロンブスがメキシコ辺りに到達して『唐辛子』を持ち帰ったことで西欧に唐辛子が広まったこと。香料諸島まで航海してきて帰りたくなくなって島に居着いたポルトガル人など世界史の授業では習わなかった内容も多々あり面白く読めた。エスビーの創業者山崎峯次郎著『香辛料』全5巻気になる。2023/01/28